田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

ウォルフガング・ペーターゼンの映画『ザ・シークレット・サービス』『アウトブレイク』『エアフォース・ワン』『ポセイドン』

2022-08-19 06:23:27 | 映画いろいろ

ハリウッドに渡ってからは、その才能が存分に発揮されたとは言い難いことが残念だ。



『ザ・シークレット・サービス』(93)

https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/db88b1c855c5913ebc20cccce6658b8c

『アウトブレイク』(95)
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/add1a7194072c7025df2ecc6b6156506

『エアフォース・ワン』(97)
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/0d9267bfabd2336dd77879f6da1a57bc

『ポセイドン』(06)
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/bef725ce0a3eab36f88495acf981a6fc

 

 

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「午後のロードショー」『マッドマックス』『マッドマックス2』

2022-08-18 08:41:30 | ブラウン管の映画館

『マッドマックス』(79)『マッドマックス2』(81)(1983.6.29.蒲田パレス座)

 パレス座で、ジョージ・ミラー監督によるバイオレンス・アクション「マッドマックス」大会。というわけで、1~2と通しで見ることができたのだが、自分としては、どちらかというと、ストーリー的には1の方に好感が持てた。

 『1』は、凶悪な暴走族の暴行殺人が多発する近未来。相棒の死をきっかけに警察を引退したマックス(メル・ギブソン)は、家族と休養の旅に出る。ところが旅先で暴走族グループに妻子を殺されてしまう。復讐心に燃えるマックスは、暴走族用に開発された追跡専用パトカー「インターセプター」を駆って、単身、壮絶な闘いを仕掛けていく、というストーリー。

 『2』は、暴走族に妻子を殺されたマックス(メル・ギブソン)の壮絶な復しゅう劇から一転、戦争で石油の価値が命よりも貴くなった苛酷な未来社会で伝説となっていくマックスの熾烈な戦いを描く、というもの。

 で、『2』の世界にまで行き着いてしまうと、例えば『世界が燃えつきる日』(77)『未来元年 破壊都市』(79)といった、核戦争後のサバイバルストーリーの甘さを思い起こさせるところがあり、あまりいい気持がしない。

 ただ、アクション映画としての面白さや、『1』よりもキャラクターの扱いに膨らみがあるところ(例えば、小型オートジャイロに乗って、空から来た男)には、進歩の跡がうかがえた。

 また、このシリーズが、西部劇の焼き直し的な使い古されたストーリー展開の割に、どこか捨て難い魅力を持っているところが不思議だが、恐らくそれは、オーストラリアの広大な景観が、それだけで見る者を圧倒するような力を持っているからだろう。

 長く伸びたハイウェイ、画面いっぱいに広がる空、地平線のある風景…。これらは、残念ながら日本映画では決してお目に掛れないものなのだから。

 『2』では、空から来た男(ブルース・スペンス)のキャラクターが面白かったが、1では、主人公マックスの妻を演じたジョアン・サミュエルのさわやかさが光った。

【今の一言】この後、『マッドマックス/サンダードーム』(85)が作られた。

そして、30年後に、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(15)
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/fe1edecc36670284d7f31a7f2cc013ba

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【ほぼ週刊映画コラム】『サバカン SABAKAN』『ロッキーVSドラゴ ROCKY IV』

2022-08-18 07:01:57 | ほぼ週刊映画コラム

共同通信エンタメOVOに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』

今週は
1986年がよみがえる!
和製『スタンド・バイ・ミー』の『サバカン SABAKAN』
『ロッキー4 炎の友情』が生まれ変わった『ロッキーVSドラゴ ROCKY IV』

詳細はこちら↓
https://tvfan.kyodo.co.jp/?p=1344899&preview=true

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「BSシネマ」『スティング』

2022-08-18 06:17:48 | ブラウン管の映画館

『スティング』(73)

観客にだまされる快感を与える痛快娯楽作
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/93af990237e7f69d1ca525dbb4c5b798

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ウォルフガング・ペーターゼンの映画『U・ボート』

2022-08-17 23:00:23 | 映画いろいろ

『U・ボート』(81)(1982.1.13.東洋現像所・技術検討試写会)

 またドイツがすごい映画を作った。最近、『マリア・ブラウンの結婚』(78)『ブリキの太鼓』(79)など、ドイツならではの、戦争の傷や痛みを感じさせる映画が作られているが、この映画も、第二次大戦に敗れ、ナチスという悪霊から解き放たれるために、いまだに必死にもがいているドイツにしか作れない映画だと感じた。

 同じく第二次大戦の敗戦国でありながら、日本で作られる戦争映画とは、残念ながら一味も二味も違う。同じような傷を持ちながら、この違いは一体どこから生じるのだろう。

 もし、この映画のような題材を日本で映画化しても、恐らくラストのどんでん返しは出てこないだろう。すると、潜水艦の乗組員たちの苦労を描くのにとどまり、チームプレーを描いたスポーツ映画を見せられたような気分になるかもしれない。

 それに引き換え、この映画はすごい。Uボート内を中心に見せる構成のうまさ、狭いUボート内をハンディカメラで追っていくスピード感、英国軍の駆逐艦と繰り広げる戦闘シーンのすさまじさ、極限状態に追い込まれていく乗組員たちの人物描写…。スタッフもキャストもほとんど無名の人たちなのに、よくぞここまで作ったものである。

 特に、人物描写では“男の姿”が見事に描かれていた。艦長(ユルゲン・プロホノフ)、機関長、乗組員たちが、みんな男そのものなのである。それは、魚雷を受け、海底に沈んだ艦を、乗組員たちの必死の作業で浮上させるシーンに象徴される。その時、艦長がつぶやく「俺はいい部下を持った」という一言には、男同士の信頼に対する矜持が込められていると感じた。

 そして、母港への帰還となるのだが、このまま終わったのでは、Uボートの動静だけを見たような気分になって、戦争映画としての印象は薄くなるのではと、ちょっと心配になってきた。

 ところが、ラストに驚くばかりのシーンが用意されていた。帰還したUボートを迎え、喜ぶ人々が、一転して、空襲に見舞われるのである。一瞬にして歓喜が恐怖に変わるのだ。まさにこれこそが戦争の実態なのだろうと思わされる。

 次々と倒れていく乗組員たち、沈むUボートを見ながら、では、艦を浮上させるための、あの必死の作業は一体何だったのだ、結局報われなかったではないか、という怒りが湧いてくる。

 このラストシーンの衝撃が、この映画をただの戦争映画とは全く別物にしたと言っても過言ではない。このように、戦争を描く場合は、見る者に怒りを覚えさせるほどのすさまじさが、不可欠であってほしいと願う。戦争を知らない世代の一人として。

 そんなこの映画のラストシーンを見ながら、ふと『八甲田山』(77)のことを思い出した。なぜなら、あの映画も、雪中行軍という難事から奇跡の生還を遂げた軍人たちが、直後の日露戦争で全員戦死したという、やるせないテロップとともに終わったからである。

 あの時も、彼らが必死に行った雪中行軍とは一体何だったのか、という怒りが湧いた。その怒りとは、引いては戦争という理不尽で無慈悲なものに対する怒りにもつながるものだろう。

【今の一言】この時の無名の監督こそが、ウォルフガング・ペーターゼンだったのである。

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「午後のロードショー」『ロスト・バケーション』

2022-08-17 06:30:59 | ブラウン管の映画館

『ロスト・バケーション』(16)

B級アクションの鑑のような傑作
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/de751dbdee0386953d118265108f4276

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『映画の森』「2022年 8月の映画」

2022-08-15 07:12:06 | 映画の森

共同通信社が発行する週刊誌『Kyoudo Weekly』(共同ウイークリー)8月15・22日合併号で、『映画の森』と題したコラムページに「2022年8月の映画」として、5本の映画を紹介。独断と偏見による五つ星満点で評価した。

改めて人種問題の根深さについて考えさせられる
『L.A.コールドケース』☆☆☆

不器用なSFファンタジー
『TANG タング』

野球に狂え!
『野球部に花束を』☆☆☆☆

長崎版『スタンド・バイ・ミー』
『サバカン SABAKAN』☆☆☆☆

時代に取り残された男の再生劇
『異動辞令は音楽隊!』☆☆☆

クリックで拡大↓

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「BSシネマ」『レッドクリフ』

2022-08-15 06:20:34 | ブラウン管の映画館

『レッドクリフ』(08)(2009.4.11.)

 三国志の「赤壁の戦い」を、ジョン・ウー監督が壮大なスケールとアクションで描いたスペクタクル史劇。テレビで見る映画ではないとは思いつつもちらちらと見る。スローモーションを多用するジョン・ウーの“我慢弱い”アクション、定まらないカメラワーク。本当にこれが傑作とされ、大ヒットしたのかといささか疑問に思う。個人的には、偶然直前に再見した『ドラゴン・キングダム』(08)の方が好きだ。

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『炎環』(永井路子)

2022-08-14 22:29:17 | ブックレビュー

 1979年の大河ドラマ「草燃える」の原作となった永井路子の直木賞受賞作で、頼朝の異母弟・阿野全成を主人公にした「悪禅師」、頼朝の寵臣・梶原景時に焦点を当てた「黒雪賦」、北条政子の妹・保子の半生を描く「いもうと」、頼朝を補佐し、後に2代執権の座に就いた北条義時を主人公とした「覇樹」からなる連作短編集。

 同時代を、異なった4人の人物の視点から描き、どれも読み応えがあるが、とりわけ、頼朝の異母弟・全成の目を通して語られる「悪禅師」、いつもは憎まれ役の梶原景時を気骨のある人物として描いた「黒雪賦」が出色。

 「鎌倉殿の13人」の脚本の三谷幸喜自身が、「草燃える」の影響を口にしているのだから、当然原作となったこの小説も、大きな影響を与えていると思う。

 こちらもドラマに影響されて、また読んでみようかと思っている。


「鎌倉殿の13人」と「草燃える」
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/d1c36450859482d0466097e0b3b053b3

伊豆長岡「鎌倉殿の13人」
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/b1079bf8c5c4e478f7db5800506e6f80

【インタビュー】「鎌倉殿の13人」三谷幸喜(前編)
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/c7da9b5b02ac56987b16cbf63b901204

【インタビュー】「鎌倉殿の13人」三谷幸喜(後編)
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/00c5fbc4696195e085877a8224fa89f5

 

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『ヘルドッグス』IN THE HOUSE OF BAMBOO

2022-08-13 11:58:06 | 新作映画を見てみた

『ヘルドッグス』IN THE HOUSE OF BAMBOO(2022.8.9.東映試写室)

 深町秋生の小説『ヘルドッグス 地獄の犬たち』を、原田眞人監督が映画化したクライムアクション。

 元警官の出月梧郎(岡田准一)は、愛する人が殺された事件を阻止できなかった後悔から闇に落ち、兼高昭吾と名を変えて復讐だけを糧にして生きてきた。そのどう猛さから警察組織に目をつけられた兼高は、関東最大のやくざ「東鞘会」への潜入という危険なミッションを強要される。

 兼高の任務は、組織の若きトップ・十朱(MIYAVI)が持つ秘密ファイルを奪取すること。警察はデータ分析により、兼高との相性が98%という東鞘会のサイコパスな若者・室岡秀喜(坂口健太郎)とバディとなるように仕向ける。かくしてコンビを組んだ2人は、組織内での地位を上げていき、十朱のボディガードとなるが…。

 アクション監修も兼ねる岡田と原田監督は、『関ヶ原』(17)『燃えよ剣』(21)に続く3度目の顔合わせだが、この映画で、初めて現代劇に取り組んだことになる。

 結果、アメリカのマフィア映画、香港のノワール映画、日本のやくざ映画の、そのどれとも似て非なる、不思議な雰囲気を持った映画になっている。

 また、原田監督作の特徴として、原作の大胆な改変と過去の映画からの引用がある。 

 原田監督は、今回影響を受けた映画として、日本を舞台に、潜入捜査官を主人公にしたフィルムノワールで、サミュエル・フラー監督の『東京暗黒街 竹の家』(55)を挙げている。だからタイトルに「IN THE HOUSE OF BAMBOO」と付くわけだ。

 また、『地獄の黙示録』(79)での、カーツ大佐(マーロン・ブランド)の愛読書『THE GOLDEN BOUGH=金枝篇』からの引用もある。
 
 ほかにも、やくざのユーモラスな生態としてのカラオケは『冬の華』(78)、ラストで3人を別々に殺すシーンを一気に見せるところは『ゴッドファーザー』(72)の影響があるのでは、と感じた。

 「黒澤と小津」は「小津」、「『アラビアのロレンス』『ワイルドバンチ』」は『ロレンス』という、兼高と室岡の好きな映画についての会話もあった。

 原田監督はインタビューで、『関ヶ原』のときは『七人の侍』(54)『検察側の罪人』(18)のときは、タイトルに付けたかったという『悪い奴ほどよく眠る』(60)『天国と地獄』(63)、そして『燃えよ剣』は、『リオ・ブラボー』(59)『グットフェローズ』(90)、といった具合に、意識した映画について語ってくれた。

 普通の監督は、こういう話題は避けたがるのだが、原田監督は、むしろ積極的に語ってくれるところがある。今回も、インタビューをする機会がありそうなので、影響されたり、意識したりした映画について聞いてみたい。


【インタビュー】『検察側の罪人』原田眞人監督
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/2f70a36c8c1ff0c251a5ba7989ca8cc2

【インタビュー】『関ヶ原』原田眞人監督
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/5fa6ad3450d7047f5187df905d858b83

『東京暗黒街 竹の家』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/c460ad26533b4555c5f1f8d0ddadc777

 

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