ディズニープラスで2月27日から配信開始となる「SHOGUN 将軍」で戸田鞠子を演じたアンナ・サワイに六本木でインタビュー。続けて、3月22日公開の『ペナルティループ』の荒木伸二監督と主演の若葉竜也に広尾でインタビュー。
2本の間に時間が空いたので、TOHOシネマズ日比谷で『ゴジラ-1.0』を再見。本当はモノクロ版を見たかったのだが、残念ながら時間が合わなかった。とはいえ2度目の方が面白かった。タイミングよくステップ広場にゴジラがいた。
劇場の看板は3月1日公開の『ARGYLLE/アーガイル』。この映画では、アルフィーという名の猫が重要な役割を果たすのだ。
『ゴジラ-1.0』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/4d2924591fd335101ac0452a1de17098
『ペナルティループ』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/671183ad5f1cf953645269a7781269bc
『ペナルティループ』(2024.2.13.オンライン試写)
岩森淳(若葉竜也)は、素性不明の溝口(伊勢谷友介)に恋人の唯(山下リオ)を殺されてしまう。自らの手で溝口に復讐することを決意した岩森は「ペナルティループ」という“何度でも復讐ができるプログラム”を利用し、6月6日を繰り返す。小刀で、包丁で、拳銃で、岩森は溝口の命を奪い続ける。やがてそれぞれに大きな喪失を抱える2人の男は、互いに奇妙な感情を抱くようになる。
『人数の町』(20)の荒木伸二監督が、自身のオリジナル脚本で撮りあげたタイムループサスペンス。映画撮影の撮り直しや別テークが生かせるタイムループものは、主人公が意図せずに巻き込まれる型が基本だが、この映画は主人公が志願してタイムループに陥るところが新機軸か。
殺し続ける男と殺され続ける男の不思議な関係は、ブラックユーモア的なところもある。ストーリーや説明の省略、少ないセリフで端的にまとめたところがよかった。
ところで、6月6日は『オーメン』(76)で有名になった”悪魔の日”。多分荒木監督はこれを意識していると思われる。
タイムリープ映画
タイムトラベル映画
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/8cf907d7850b2ea2dc7fb411f86473d5
『リバー、流れないでよ』
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『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』
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『コンティニュー』
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『パーム・スプリングス』
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『オール・ユー・ニード・イズ・キル』
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『ミッション:8ミニッツ』
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『恋はデジャ・ブ』
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『悪は存在しない』(2024.2.8.オンライン試写)
自然豊かな高原に位置する長野県水挽町は、東京からもそう遠くないため移住者が増加し、緩やかに発展している。代々その地に暮らす巧(大美賀均)は、娘の花と共に自然のサイクルに合わせた慎ましい生活を送っていた。
ある日、巧の家の近くでグランピング場の設営計画が持ち上がる。それは、コロナ禍のあおりで経営難に陥った芸能事務所が、政府からの補助金を得て計画したものだった。しかし、彼らが町の水源に汚水を流そうとしていることが分かったことから町内に動揺が広がり、巧たちの静かな生活にも波紋が生じる。
濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』(21)の音楽を担当した石橋英子と濱口監督による共同企画。石橋がライブパフォーマンスのための映像を濱口監督に依頼したことから、プロジェクトがスタート。その映像を制作する過程で、1本の長編映画としての本作も誕生した。ベネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞。
冒頭の森や水を描写した長回し、住民と開発業者による環境問題のディスカッション、巧に感化されていく芸能事務所の高橋(小坂竜士)、行方不明になった花を捜すサスペンス、そして謎のラストシーンと、次々と変転し、全く予測がつかない展開を見せる。
劇映画とドキュメンタリーの境界線上にあり、予定調和を崩し、ストーリー性は度外視して、解釈を観客に委ねる形は刺激的だったが、同時に実験作、習作という印象も拭えなかった。自然と人間というテーマを表現する上では、長野県の富士見町や原村でのロケが実に効果的だったことがよく分かる。
また、車中での会話、たばこを吸うシーンが多いのは『ドライブ・マイ・カー』や『偶然と想像』(「魔法(よりもっと不確か)」)と共通する。何かこだわりがあるのだろうか。
「『俺の愚か者がギンギラギンにならない』は不適切ワードを一切使わない名ぜりふ」
「私の頭の中がタイムパラドックス」
朝ドラ「ブギウギ」でついに「ジャングル・ブギー」(作詞・黒澤明、作曲・服部良一)が登場した。福来スズ子役の趣里が頑張って歌っていたが、本家笠置シヅ子の迫力にはかなわない。
この曲は黒澤監督の『酔いどれ天使』(48)の劇中歌として有名だが、「ブギウギ」では結局、黒澤は名も出ず登場もせず、「こだわりの強い監督」の一言で片づけられていた。誰が演じるのか、ちょっと楽しみにしていただけに残念だった。
『酔いどれ天使』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/4b38340bc73fa6f59353f97e3a09ce45
ある映画を見たら、ビートルズの新曲「ナウ・アンド・ゼン」が結構なボリュームで繰り返し流れてきた。この曲については、アンソロジー・プロジェクトの時の「フリー・アズ・ア・バード」や「リアル・ラブ」以上に懐疑的に捉えていたのだが、こうして不意打ち的に聴いたら、改めていい曲じゃないかと思い、情けないことにちょっと涙ぐんでしまった。
詩の内容も、ジョンがヨーコに向けて書いたものだと思っていたら、どうやらポールに向けたものらしく、そうなると全く意味合いが違って聴こえてくるのだ。
それにしてもAIの発達は目覚ましく、こうして楽しみながらも、同時に怖さも感じる。大いに矛盾しているけれど…。
https://www.youtube.com/watch?v=Opxhh9Oh3rg
『ビートルズ・アンソロジー』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/956128c9a6211382aef59aa7f8560256
共同通信エンタメOVOに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』
今週は長尺映画を2本。
ビクトル・エリセ31年ぶりの新作『瞳をとじて』
アリ・アスターの頭の中をのぞいてみたくなる『ボーはおそれている』
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