夢見るタンポポおばさん

富士山麓の風景、花の写真。エッセイ。

私は風邪をひいた蛙の声の持ち主です

2010-12-17 21:30:56 | 日記・エッセイ・コラム

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私は風邪をひいたカエルの声の持ち主です。

人の悪口を言わない、優しかった祖母でさえも、私のことを「働き者で、成績も良く、明眸皓歯だけど、声の悪いのが玉に傷。」と言っていましたので、筋金入りの悪声なんだろうと思います。

小学校五年生の時、夕鶴の劇で悪声の為、何の役も貰えなかった私は母に「何でこんな声に生んだの?」と悪態をつきました。

母は悲しそうな顔をして、「手で作るのなら、どんなにも丁寧に作ってあげたかったんだけど..」と答えました。

音大に進学した高校の同級生は、「人間の声ではない。」とまで言いました。

私の願いは、只一つ普通の声でした。

せめて子供には同じ声の苦労だけはさせたくないと、お見合いで、その声に一聞き惚れした男性と二回しか会わないで、結婚し、三人の人並みの声の子を授かりました。

  子供たちが話し始めると、夫ほどの美声ではないけれど、私ほどのガラガラ声じゃないと判って、本当に一安心。

筑波山麓男性合唱団を結成することもなく

三人の息子達は結婚し、独立しました。

次男の結婚式で、夫は得意の歌声で、『君といつまでも』を花嫁さんとデュエットして大喝采。瞬間最大スター、会場中感動の渦でした。

私のカエルの声を聞いてみたくなったでしょう?

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