夢見るタンポポおばさん

富士山麓の風景、花の写真。エッセイ。

呼び出し電話のお使いは、本当に嫌でした!

2010-12-18 21:39:20 | 日記・エッセイ・コラム

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木枯らしが吹いても、こんなに綺麗な薔薇が、庭に咲いています!イギリス生まれの薔薇です。寒さに強い品種のようです。

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電話の呼び出しを知っていますか?昭和30年代、電話が高価で、自宅に電話が無い家が多かった時代の話です。

電話の有る家の電話番号を自分の電話番号として相手に知らせて、その家の人に呼び出してもらうのです。

勤務先の会社や通学先の学校に知人宅の電話番号を届け出るのです。例えば、名簿に012-34-5678(呼)と記入。学生は、大家さんの電話番号を学校に届け出ました。

届けられた電話を所有している家の人は、いい迷惑です!

私はその最大の被害者の一人です。

当時町内(集落といった方が相応しい)に数軒しか電話を所有している家が在りませんでした。

その中で気持ちよく?呼び出しをしてあげていたのは、我が家と、もう一軒だけだったようです。

その係は、必然的に、末っ子の私。

三人の兄たちに「行って来い。」と命令されると、例え兄たち皆、コタツでテレビを見ていても、どんなに寒くても、どんなに強い風が吹いて怖ろしくても、あちこちの家に呼び出しに行きました。両親は、いつも夜遅くまで働いていました。

当時流行っていたスピッツと言う良く吠える犬に吠えられたり、泥んこに足を取られて、靴が汚れたり、本当に嫌な思い出ばかりです。

祖母は優しい人で、遠くの家には一緒に行ってくれました。

ところが、祖母が、暗い田舎の泥道で、足を滑らして、怪我をしてしまったのです。

血だらけの祖母の足を見て、私がしっかりしなくてはと、勇気を奮い起こしたことを思い出します。

『電話の無い家の子に生まれて来たかった。』といつも思っていました。

冷たい木枯らしが吹くと、辛かった毎日の電話の呼び出しのお使いを思い出します。

赤やピンク色、緑色の公衆電話が登場したのは、ずっと後になってからです。

あれからたったの半世紀も経っていないのに、一人に一台の携帯電話。

もう私のように、呼び出し電話のお使いで泣いている少女はいないでしょう!