夢見るタンポポおばさん

富士山麓の風景、花の写真。エッセイ。

呼び出し電話のお使いは本当に嫌い の話の続き

2010-12-19 20:34:46 | 日記・エッセイ・コラム

今日の富士山 凍えているようです。

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昔電話は緊急事態を報せる道具だった。

余程の用事の無い限り夜中に黒電話のベルは鳴らなかった。

夜中の電話は、悪い出来事の前兆。不吉なベルの音。

ジリジリーンと鳴ると、また誰かに不幸な出来事が起こったのかと、胸騒ぎがする。

歌の文句にあるように、夜中に電話を掛けるのは、悪い癖。

昭和30年代の夜の電話の呼び出しは、大抵は、危篤とか、死亡とか、良くても、大怪我をしたとか、明日の朝まで待てない急ぎの用件だった。

赤紙を配達する係だった人の話を聞いたことがある。苦悩の連続の毎日だったと言う。

私も、いつも不幸を報せる役割を果たしていた。

直接の用件を言わなくても、「○○○から電話がありました。電話をして欲しいそうです。」と伝えるだけで、ワァーと泣き出したおばさんもいた。

子供心にも、実家に不幸が有ったのだなと理解できた。たまらない重苦しい、お使いだった。

少しおませな気持ちにさせてくれる呼び出し電話もあった。

近所のお姉さんの所にいつも掛けて来るお兄さんの電話。

毎日熱心だった。

電話は玄関にあったので、私が勉強をしている板の間から筒抜け。

聞き耳を立てていなくても、「愛しているには、愛しているんだけど..」と切ない会話。

その後二人はどうなったのか、私は覚えていません。                            

楽しい電話のエピソードもあります。

私が産まれた時、祖父が、母の実家の伯母に電話をしました。交換手が電話に出ると、相手を確かめもせずに、Г俺の家で女の子を拾った。花火を上げる。」とだけ言って切ってしまったそうです。

「おかしいですね。男の子ならともかく、すごく喜んでいましたよ。」と伯父に伝えると、「上に男の子が三人もいるんだよ」と答え、その話は以後ずっと語り継がれています。

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