夢見るタンポポおばさん

富士山麓の風景、花の写真。エッセイ。

四つ溝柿のさらし柿

2018-10-07 22:38:25 | 日記・エッセイ・コラム

  四つ溝柿のさらし柿

四つ溝柿は、静岡県東部地方で沢山栽培されています。

溝が四つ有る渋柿です。

静岡県富士山麓では、

富士宮市から富士市、沼津市、長泉町、裾野市辺りまで、

旧家の庭先や畑の隅には必ずと言って良い位たわわに実った四つ溝柿の木を見ることが出来ます。

が柿の木はとても折れやすいので、古木は直ぐに折れてしまいます。

高い所の収穫は木に登らないと無理なので、最近は高齢化に伴い、

折角実った柿の実が放置されている柿の木が多くなりました!

  さらし柿

四つ溝柿は比較的実の小さな渋柿です。

そのままでは食べることが出来ませんので、渋抜きを工夫して渋く無いようにして食べます。

山梨県や長野県のように寒さが厳しい所では、皮を剥いて干し柿にします。

が静岡県は御殿場市や小山町等のように標高が高くて、比較的寒い地域を除いて

冬場も温暖なので、干し柿にカビが生えてしまいます。

  さらし柿の湯抜き

  そこで故郷の先祖たちが工夫したのが、お湯で渋抜きをする  『湯抜き』方法です。

昭和30年代に祖母がやっていた方法は、野原に自生している蓼と藁束でした。

五右衛門の残り湯の中に藁と蓼、塩を入れて一晩置いて置くと翌朝渋が抜けて甘くなっています。

昭和40~64年頃

私の母親がやっていた湯抜きの方法は、

ビニール袋の中に渋柿と水、塩を適量入れて、残り湯の中に一晩置いていました。

燃し木を焚いて沸かしたお風呂。家族7人が入った後、お風呂の温度が冷めている時には、大体40℃位になる迄

燃し木をくべて追い焚きをしていました。

少し塩気があって、とても美味しい湯抜きのさらし柿。

今では、ドライアイスや、ガスなどで抜いたさらし柿が市場に出回っていますが、お風呂の残り湯で渋抜きした湯抜きのさらし柿とは、全然味が違います!

懐かしいさらし柿。

秋になるとどうしても食べたい故郷の味。

湯抜きのさらし柿です!!