夢見るタンポポおばさん

富士山麓の風景、花の写真。エッセイ。

終い支度 或老女の場合

2018-10-24 21:30:08 | 日記・エッセイ・コラム

終い支度

2018年10月24日(水)

自宅裏庭からの富士山

        みんなゴミ袋に入れられて

  

今朝、洗濯物を干そうと外に出ると、付近に

朝から何となくただ事ではない異様な感じが……漂っています……

一体何が起こったのかと思っていると、

ご近所の認知症の老女の住むお宅で、

大きなマスクをした若い女性が、

パンパンに膨らんだゴミ袋を数個玄関の前に出し始めました。

ゴミ出し日でも無いのにと思っているとプラスチックの籠や何かも

沢山出し始めました。

 その内に

ガタガタと大きな音がします!

窓からソッと見ると

今度はベッドやタンス、棚みたいな物を軽トラックに積み込んでいました。

リハビリから帰って来ると、玄関に、またゴミ袋の山。

引っ越しかしらと思っていましたが、

どうも最近姿を見掛けなくなった老女の荷物を片付けていただけのようです…

いつも大きな声で老女を叱りつけていた中年女性の姿も最近見かけませんし、

怒鳴り声も、泣き声も聞こえないので、何かあったのではないかと思っていました。

  

     夕方には、小さな電気がポツンと点いていました。

老女は子供がいないと言っていました。

長野県に住んでいましたが、ご主人が亡くなって、弟の家に引き取られたようです。

 弟の嫁も長男夫婦も今更何で……と言う感じだったようです………

自分で働いて建てた家が在るのに、自宅を出て、借家住まい。

 弟の仕事のパートナーの大柄な中年女性に面倒になっていた?らしいのです……

    何が本当か嘘か等、知りたくもありませんが、

それなりに平穏に過ごして来た七十五才過ぎの老人の家庭も、独りの老女の同居でメチャメチャ。

 老女も行き場が無くて気の毒。

 行き場の無い老女に「俺の家に来い。」と言った所迄は良かった。

が、肝心の自分の家族は……

昔みたいに、家長の言う事には絶対服従なんて時代ではないのです。

 

  施設の方が年がら年中怒鳴られたり、お昼はカップヌードル一個。なんて事は無いから幸せだと思う…とケビンと私。

朝から大柄な中年女性に怒鳴られまくられた老女。

 Г散々大騒ぎして、出掛けて行ったよ!」と私に話した時には、全くの正気。

  聞かされている私たちでも、震え上がる程恐ろしい言葉を投げつけていました。

老女の個人的な持ち物は、市指定の黄色い可燃物のゴミ袋に入れられて、何処かに運ばれて行きましたが、

私の知る可哀想な老女は 、 何処かの施設で平穏に生活していると信じて休むことにします。