さらし柿
大好物のさらし柿
静岡県東部地方の名産品
四溝柿(よつみぞがき)のさらし柿
四つ溝があるので、四溝柿と呼ばれています。
渋柿です。
そのままでは渋くて食べられません。
木の上で、完熟すると、トロリと甘くなってとても美味しいのですが、その頃には鳥たちのおやつになっています。
野鳥の啄んだ柿の残りなんて、不衛生でとても食べられた物ではありませんので、
野鳥の餌食になる前に、収穫して渋抜きをして食べます。
一般的な食べ方は干し柿ですが、長野県や山梨県等と比べて
静岡県東部地方は温暖な気候ですから、干し柿にすると、カビが出てしまいます。
先人が考えた渋柿を美味しく食べる方法が、さらし柿。
抜き柿。サワシ柿とも呼びます。
湯抜きの さらし柿
60年程前は、厚手のビニール袋の中に、渋柿と塩と蓼、水をヒタヒタにいれて、
お風呂の残り湯に入れて置くと言う方法で渋抜きをしていました。
みんなが入って冷めたお風呂は薪を少しくべてお湯を適温にしていました。
私も子どもの頃は、さらし柿用に祖母と空き地の蓼の花を取りに行ったものです。
さすがに今は薪でお風呂を沸かす家もなくなったようで、湯抜きのさらし柿は、ほとんど見かけません。
今は、
渋を焼酎や炭酸ガスで抜く方法が一般的なようです。
私は昔ながらの湯抜きのさらし柿が一番好きですが、見た目もいまいちで、日持ちもあまりしないようです...
渋抜きの方法は、湯抜きでなくても、さらし柿は私たちのソウルフード。
晩秋、柿が朱く色づいて来るとどうしても食べたくて、
さらし柿を売っていそうな市内のあちらこちらの農民市場や小さなお店等を
夫婦で探して歩きます。。。
甘くて、サラッとしていて、歯ごたえがあって優しい味。
何よりも、郷愁を誘う懐かしい味。
亡き祖母や母の思い出の味なのです。