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4月も週2回更新予定でいきます。
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お花見では桜の花にばかり目がいくのですが
桜の樹の下には何が埋まっているかを考えてみよう。
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梶井 基次郎(かじい もとじろう:1901 - 1932)の短編小説『櫻の樹の下には』から。
美しい桜の樹の下には死体が埋まっているはず、という作者の幻想をモチーフにして
表には見えない企業の『裏側の事情』知っておくことも大人への成長なのだと思うよ。
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■大量採用の企業の事情
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ある大手都市銀行の人事担当者に聞いたところでは、大量採用している今日、全員が定年まで銀行に残ると、大変困るということだ。
入行3年間をメドに採用者の3割が辞めることを見こんでいるという。1000人を新規採用するなら、300人は3年間でいなくなることを想定しているということだ。
※※※
津田倫男「銀行員のキミョーな世界」中公新書ラクレ2012年
退職者を見こんで採用、ということは
もし予定退職者が少なければ削減手段を講じるということになります。
もうすこし、企業の「桜の樹の下」(物事の裏側)をのぞいていこう。
■休暇取得の奨励にある、別の目的
※※※
銀行員が必ず取らなければならない休暇がある。概ね1週間ほどだが、これは行員の福利厚生やワークライフバランスのために制度化されているのではなく、不正発見防止のためなのだ。
1週間、行員が休んでいる間に他の行員がその仕事ぶりをチェックするのだ。
※※※
前掲書から
これは銀行以外の金融機関(生命保険会社など)でもほぼ同じ状況です。
たとえば福利厚生が充実しているといっても、その表面の桜の花だけを見るのではなく
「樹の下に埋まっているものの事情」まで洞察をしておく心構えでいよう。
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春先のこの時期の新入社員で
「会社説明会で説明された条件と、入社後の条件が違うじゃないか」
という不満が渦巻くことがあります。
たいてい企業側に非があるという場合も多いのですが、その一方では
物事の事情に対する「大人の洞察力」が不足している場合もあります。
良し悪しは別にして、こういう企業の現実を本当に理解するのには
どうしても3年くらいの社会経験が要るんですよ。
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■不条理な状況を乗り越えるときの知恵
就活や社会人の生活で、どうしても納得かいかず、不条理に思える出来事に遭遇した場合
あわてず騒がず、まずは静かにやり過ごすということが第一段階の大人の知恵のようです。
※※※
ホイットマン(アメリカの詩人)のいい詩を思い出した。
世界中の誰もが自分を称揚しても
私は独り静かに満足して座っている
世界中の誰もが私を見捨てても
私は独り静かに満足して座っている
※※※
伊藤肇「人間学」PHP文庫から
桜の樹の下に、たとえ死体が埋まっていようとも
桜の花の美しさはそれでも変わらないものなのだ
世の中の不条理にただ憤るよりも
そういう世の中こそ自然なものだと認識することで
子どもから大人の意識に目覚めよう。
(tarebon)
4月の更新予定も原則として毎週水・日です。
じゃあまたね☆
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