鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第336回】 大衆化を避けては通れない

2011年12月02日 | 住宅コンサルタントとして
先日、とあるクライアントの社長と男2人でとても素敵なイタリアンレストランに入りました。
(←相変わらず、ワインにはまっており、おいしいワインが飲みたいのです)

そのお店は2階にあって、階段を上がってお店に入るのですが、
階段を上がり切った踊り場の正面がガラスになっていて、
そのガラス越しにワインセラーが見えるのです。

お店というか、ビルのファサードももちろん良かったので、2階まで上がって行ったのですが、
ワインセラーの中のワインの多さに思わず入ってしまったのです。

レストランの中の雰囲気もとても素敵でした。
もちろん、料理もワインもとてもおいしかったです。

しかしながら、お店を出るまで、お客さんは私たち以外、誰もいませんでした。
ちょっと高級感がありすぎ、価格も地域の相場からすれば、高かったのかもしれません。

また、大阪は只今、百貨店各社が増床したり新規オープンしたりと
大百貨店戦争状態となっています。

こうした中、床面積を1.4倍に増床した高島屋大阪店は、半期で4%増どまり。
また鳴物入りで参入したJR大阪三越伊勢丹は計画未達の模様とのことです。
一方、百貨店の敷居を下げ、新たな業態をつくろうとしている大丸梅田店は、
業績が非常に好調とのこと。
売り場面積を1.6倍に増床したとはいえ、4月~10月時点の累計で、
昨年対比76%増とのことです。
(以上、12月2日発刊の日経MJより抜粋)

大丸はいろんな魅力的なショップを店内に誘致したり、
手ごろな価格帯の商品を持つテナントを誘致したりと、大衆百貨店路線を目指しています。
それが、功を奏しているということでしょう。

このトレンドは、住宅業界にも当てはまってくるのではないか、と個人的に思っています。

ただ、勘違いして欲しくないのですが、価格が安いだけの家がいいのではありません。
あくまで、魅力的でワクワクする家が、お値打ちで買える、建てられる、という家を
目指さなくてはならないのです。

単なるローコスト住宅大手の某メーカーは、本当に今、苦戦しており、
10年は絶対に持たないだろうと思っています。

素敵な家を手が届く価格で提供する。
そこを目指さなくてはならないのです。

これからの住宅会社が目指すべき指針が、大丸にあるのかもしれませんね。
コメント
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