鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第1860回】 普通の工務店が受注が増えない理由

2016年02月03日 | 住宅コンサルタントとして
昨日お伺いしていたクライアント様は、
過去最高の受注、売上、利益を出すことがほぼ、確定していました。

前期からの繰り越し、更には今期受注、今期売上案件も多々あり、
今期が始まって3か月ですが、経常利益額の最低ラインも見えています。

もともと、お付き合いが始まったのは9年前。
当時は社長もまだ専務で、見学会を開催してもそこから契約までつながらない、
という悩みをお持ちでした。

当時の受注は全てOB様や会長(当時の社長)の人間関係というのが大半でした。

お付き合いをさせていただく中で、スタッフさんの退職が続いた時期もあり、
組織的に非常に脆弱な時代もありました。

そんな中、営業手法をマスターしていただき、
更には商品開発にも着手していただき、
今では激戦区のエリアで、小さくてもキラリと光るポジションを取っておられます。

受注も過去最高。
優秀なスタッフ数名で業務を回すのにMAXのレベルにまできています。

ここまで来ると、もうやり方論、テクニックでは成長できません。
本格的に社長が経営やマネジメントを学んでいただき、スタッフを採用し、
組織の力で仕事を回していかないと、会社は大きくならないのです。

一般的な工務店だと、経営者が営業や設計、積算、工事監督を兼ねていて、
受注が数棟入るとその実務部分に時間を奪われ、
お引き渡しが終わるまで次の仕掛けが何もできない、というケースが多い。

だから年間2~5棟くらいでアップアップなんですね。

人を増やすと、仕事量が減った時に固定費が大変になるから、と
常に自分を含め数名で経営を回そうとするのですが、
商品開発もできない、人も育てられない、
しくみをつくれず感覚で仕事をするやり方が抜けない、という感じになって、
経営者の感性が市場のお客様と乖離した際に受注が取れなくなるのです。

普通の工務店から、住宅会社に変わるということをクライアント様は決断して下さいました。

そのご決断に全力でサポートさせていただきたいと思います。
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