鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第2429回】 住宅フランチャイズが衰退する訳

2017年08月24日 | 住宅コンサルタントとして
住宅のフランチャイズが、既に実質崩壊しているようなものだと個人的に思っています。

弊社のクライアント様でもFCに加盟されていた会社が退会が続出しています。

FCというビジネスモデルが住宅で通用しなくなったのには、
いくつか理由がありますが、まとめると次の2点になります。

1.市場の変化、顧客ニーズの変化に本部がついていけない

FC本部を仕切っているのは、何十年も前に現役だった、
過去の成功体験が忘れられないオッサンが中心。
今の若い世代の方の価値観や行動パターンが理解できず、対応ができない。

まあ、見事にピントがずれていますね、各FC本部とも。
ちなみにこの傾向は大手ハウスメーカーも同じですけど・・・。

だから大手ハウスメーカーでは一条工務店以外、戸建は相当苦戦していますよね。
大手同士のM&Aが始まっていくことでしょう。


2.社員さん、協力業者さんなど、加盟店が人を集められないケースが増えている

FC本部が提供するのは、商品、商材、販売ノウハウなどですが、
それらがどれだけ素晴らしくとも、加盟店の経営能力が無ければ、
社員さんは集まらない、もしくはドンドン辞めていく。
また職人さんも集まってくれないので、人の部分の問題がクリアできないケースが増えている。


特に2番目の問題が本当に大きかったりします。

ですから、最近ではFCという形ではなく、商品やノウハウをパッケージ化し、
売り切りという形で販売する会社もありますが、
成功するかしないかのポイントは、その商品力やノウハウよりも
人の問題をクリアできるかどうか、ということの方が重要です。

住宅業界も小売りや飲食と同じように、商品力や営業力だけでなく、
企業としても総合力、すなわち経営者の経営能力が無ければ、
成長し続けることが難しくなってきました。

センスが抜群の経営者は、若いスタッフがついていきたい、と思う思想を身につけ、
若いスタッフが働きたいと思う環境をつくっています。

こういう会社にスタッフさんもお客様も殺到する。

ますます経営力が重要になってきているのです。

商品は、業績を高めるための単なる1つの要因に過ぎません。
商品だけで業績が上がる、と思っている経営者が経営する会社は、
ますます苦戦していくことでしょう。

重要なのは、地域で信用されるような活動を継続していくこと。
真面目にコツコツと良い家づくりに取り組むこと。
そうすれば、職人さんやOBさんたちの間で良い評判がおこり、
「あの会社で働きたい」という人が集まってくるようになるでしょう。

そしてエンドユーザーが求める業態をつくり続けること。
変化し続けていくことです。

こうしたことをやり続ける会社が、これからの時代に勝つ住宅会社なのです。
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