鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【4580回】 嘘は貫き通せない

2023年07月15日 | 住宅コンサルタントとして

弊社の建材店のクライアント様が商売をされているエリアで、

長年、評判が非常に悪かった会社が民事再生を申請しました。

 

とにかく品質の良くない木材を叩きまくって仕入れ、

安い価格で地域の工務店に販売する。

 

メーカーや商社に対しても駆け引きが強く、

値下げ交渉を強烈に仕掛けて安く仕入れ、安売りする。

 

あり得ない価格で市場に販売し、

市場価格を荒らしまくっているのに、

決算は毎年、ギリギリ黒字を計上していました。

 

まあでもその数字を見れば、

粉飾しているだろう、ということは誰にでも理解できました。

 

そして税務調査が入り、徹底的にやられたのでしょう。

 

前期にいきなり9億超えの赤字を計上し、

一気に債務超過となり、

売り先が仕入れを当然ながら控えるようになり、

資金も回らなくなってこういう事態となった訳です。

 

ただただ安く仕入れて、低粗利で販売し、赤字を垂れ流すなんて、

何の価値もありません。

(それでしっかりと利益を確保し、

健全経営をして納税していれば別です)

 

そしてその評判の悪い会社から

いろんな材料をメインで仕入れている、

この地域を代表する住宅会社3社も

これまた評判が悪い先で、

現状、かなり苦戦している様子。

 

そりゃそうです、お客様に提供できる価値が安さだけであり、

その安さに理念も信念もない。

 

評判の悪い仕入れ先から、

評判の悪いビルダーが商品を仕入れている。

 

類は友を呼ぶのです。

 

嘘は必ずばれます。

 

粉飾決算なんて、いつか必ず表に出るもの。

 

それを何十年にも渡ってやり続けた結果、

このような事態になってしまうのです。

 

粉飾決算という嘘を世間に対して、

また仕入れ先やお客様、金融機関に対して、

そして社員さんに対してやり続けたこの会社の経営陣は、

誰からも信用されないと思います。

 

民事再生の許可が下りるのか、

それとも倒産となるのかは分かりませんが、

いずれにしてもこの会社は、浮上することはないでしょう。

(でも有名な上場企業ですら、

粉飾決算や検査数値の改ざんをやってしまっている、

情けない日本ではありますが・・・)

 

 

仕事をする上での基本中の基本は、

 

約束を守ること、

嘘をつかないこと、

お客様や仲間、仕事に対し、誠実であること、

 

だと改めて思ったのでした。


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