
幹線道路をつなぐバイバス役の道は坂道だが大型車も通れるので結構な通行量がある。その登坂で汗びっしょりで潅水用の水を運ぶ人に出会った。その方の畑はバイバス沿いから下方の谷に向かう段々畑になっていて、見通せる段ごとに猪除けの柵が設けてある。水路は無いから水遣りは人の手しかない。先の人は水対策を話してくれた。
農具を仕舞う小屋の屋根から樋を引きドラム缶2本分の貯水タンクを設けた。タンクから塩ビのパイプで畑各段に水がいきわたるよう施設した。ところが猪の餌探しでパイプが破損した。雨が少なくわずかに残っていた水は法面の雑草を喜ばせた。苗の植え替えやらパイプ取り換えなどを思うと、年金生活者の手におえない損害、最近、猿が群れで現れる別の心配も発生し、おまけに水運びはたまらん。
今日、日本列島は北陸東北地方の梅雨明宣言が出て雨の季節は脱したことになる。期間中は線状降水帯を初めとする異常降水が各地に大きな被害をもたらした。一方で、夏場の水不足を心配する河川もあるなど均一でない降水に気をもむ地域もある。台風5号が恵みの雨程度で通り過ぎれば、先の方の水運びは終わるだろう。
現役のころの夏場、工業用水の取水制限対策でサニーホースを使って臨時の送排水路を幾本も施設した事を思い出す。水は人や生き物だけでなく、機械設備などが動くためにも欠かせない。サニーホースは施設すれば渇水対策解除まで作業はないが、潅水用の水を坂の上まで運ぶ作業解消のためにも雨よ降れと願う。