日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

祥月命日

2019年06月17日 | エッセイサロン
2019年06月17日 中国新聞「明窓」掲載

 わが家の祥月命日は全て奇数月。3月は母、5月は祖父、7月は祖母、9月は父だ。祖母、祖父、父そして母の順で亡くなった。祖父母と父の五十回忌、母の三十三回忌はいずれも済ませた。
 私たち夫婦の金婚式は過ぎた。妻は父と祖父母に関して、母から聞いたことしか知らない。それでも命日に、それぞれの好物を供えてくれており感謝している。
 命日には近くに住む姉妹たちがお参りに来る。命日以外でもそうなのだが、姉妹は妻と日頃のあれこれを話す。その会話は、実家の嫁というより実の姉妹のよう。目をつむって聞いていると、母娘の会話のようにも聞こえることがある。長男としてうれしいことだ。
 命日が近くなると、私は毎月している墓掃除を命日前に済ませることが役目。仏壇の掃除はいつもだが、妻が支度する仏花などがそろえば、ほこり払いや具足磨きなどから始める。
 4枚の遺影は仏壇の横のかもいに掛けている。この家に引っ越してきて二十数年。一番いい部屋に飾っているが、居心地はどうなのだろうか。額を拭きながら、わが家の様子をどんな思いで眺めているのだろうかと思う。
コメント (2)
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