ひと月ぶりに出会った知人の男性は「ようやく梅雨が来そうで」と何かほっとしたような口ぶり。遅れに遅れている「梅雨入りしたでしょ」という気象庁の発表は明日とTVの気象予報でもニュースでも報じられる。画面に表示される雲行きからすればそういう気なる。
予報では梅雨入りしたとたんに大雨が予想されている。梅雨末期の大雨は梅雨明け近しの合図だが、今年は初めから大雨になりそうで、繰り返されるという。水の無い地域、特に稲田では困っている様子がネットで見る。いきなり大雨では少々気に掛かる。やって来る前線は熱帯性低気圧を伴うというから心配だ。
元号が変わったから遅れたわけでもあるまいが、自然界にも都合があってのことで遅れたからとどこにもクレームは付けられない。夏の水不足を心配する高齢の人の声が流れていたが、限定された地域では高齢者のこうした経験は貴重な予知情報かもしれない。各地に多すぎず少なすぎず適度な雨量で梅雨が明けて欲しい。
梅雨になると一つだけ好きな景色にタイミングが良ければ出会える。そこは四季いつも眺めて国の名勝・錦帯橋。見慣れている風景だが、全景が霧にかすむ姿は幻想的で、薄い墨絵の世界に迷い込んだ錯覚を起こす。こういう日、意外に観光客が多いのは気のせいだろうか。