2019年06月14日 毎日新聞「はがき随筆」掲載
チクッとした痛みが始まり、延び延びにしていた抜歯と義歯を入れる治療を始める。
まず抜歯、診療台が後ろに倒されはじめ、ちょっとした覚悟をして目を閉じる。だが、あっけないほどの短い時間で、苦痛もなく処置が終わったのは歯科医の腕か。
抜いた歯が思ったより小さくて驚いた。「歯の健康は全身を守る」というが、小さな姿で七十数年ものわがままな食べ方を受け入れ、健康を守ってくれたのか。感じたことのない「ありがとう」の強い気持ちが自然に湧き出た。
私より先に寿命がきた歯に、残りを守る8020を誓う。
チクッとした痛みが始まり、延び延びにしていた抜歯と義歯を入れる治療を始める。
まず抜歯、診療台が後ろに倒されはじめ、ちょっとした覚悟をして目を閉じる。だが、あっけないほどの短い時間で、苦痛もなく処置が終わったのは歯科医の腕か。
抜いた歯が思ったより小さくて驚いた。「歯の健康は全身を守る」というが、小さな姿で七十数年ものわがままな食べ方を受け入れ、健康を守ってくれたのか。感じたことのない「ありがとう」の強い気持ちが自然に湧き出た。
私より先に寿命がきた歯に、残りを守る8020を誓う。