a letter from Nobidome Raum TEE-BLOG

東京演劇アンサンブルの制作者が、見る、聞く、感じたことを書いています。その他、旅公演や、東京公演情報、稽古場情報など。

『彼女たちの断片』出演者紹介その4

2022-03-06 16:00:00 | 東京公演

石原燃の新作書き下ろし
『彼女たちの断片』
大学生の多部が望まぬ妊娠をした。友人たちの助けで、中絶薬を使った中絶を試みる。これはその一夜を描いた女たちの物語。

出演者紹介 その4
志賀澤子 Sawako Shiga →静谷葉子 日仏翻訳者
晶の母。戦後民主主義の風をいっぱい受けて育った世代。若いころにフランスのセックスデモを見て大きな刺激を受けた。晶が妊娠した時すぐに中絶をサポートしたが、それが晶の真意だったのか、この夜を機会に考えたりしている。日本が辿ってきた中絶の歴史や背景を語る。

志賀澤子、劇団代表、今回の石原燃さん書き下ろしの企画者。現役の役者としては劇団最古参となった。俳優だけでなく海外公演のプロデュースなどでも活躍。今は膨大なセリフと格闘している。『かもめ』アルカージナ、『母』ペラゲーヤ・ウラーソワ、『沖縄』波平秀、等々代表作は数多ある。近年では『泥棒たち』のイーラ・ダウィドフ、『ウィーンの森の物語』祖母役などで存在感を見せた。志賀は強い女の役が多いが、私はその昔岸田國の『古い玩具』でみせた、柔らかな志賀も印象に残っている。

今回の静谷葉子は、自由で常識にとらわれない奔放な人。恋多きシングルマザー。心のままに生きてきたんだろうなと想像する。志賀にはまさにぴったりの役。ペルーで生まれた移民2世のまゆみと出会い、また若返っているのかな? この時代の女はポジティブで強いなと思う。
翻訳劇が多い劇団で、久しぶりの書き下ろし新作の実現に向けて、劇団代表としても「必ず成功させる」と意気込んでいる。ちなみに先日誕生日を迎え、傘寿を越えてもバリバリ元気に稽古している。

代表なんで写真多めに。

『泥棒たち』


『林檎園日記』


『目をさませトラゴロウ』リーディング



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TEE 東京演劇アンサンブル公演
  彼女たちの断片 作/石原燃 演出/小森明子

—公演日程
—
2022年3月23日(水)~3月27日(日)

  ★=Low Price Day

—会場—
渋谷区文化総合センター大和田・伝承ホール

—チケット—
全席自由/チケット発売順に整理番号発行・整理番号順の入場

料金:前売一般/3800円 
   前売U30/3000円
 
★=Low Price Day/2500円

   ペアチケット/6000円(2枚セット)

   当日/4500円
 TEE Webチケット

助成:文化庁舞台芸術創造活動活性化事業

協賛:ケンタウルスの会(TEE友の会) 

観劇における新型コロナ感染症対策ご協力のお願い

当日券につきましては、劇団FacebookページTwitterにてお知らせします。

—スタッフ—
音楽/国広和毅

舞台美術/香坂奈奈

衣裳/稲村朋子

照明/真壁知恵子

音響/川崎理沙・島猛

映像/三木元太

宣伝美術/ Judith Clay・奥秋圭 

舞台監督/浅井純彦

演出助手/黒川アンナ

制作/太田昭

制作助手/志賀澤子

—登場人物
—
静谷晶(44)グラフィックデザイナー

 洪美玉
天野ゆき(44)グラフィックデザイナー
 
原口久美子
高崎涼(35)グラフィックデザイナー
 
山﨑智子
静谷葉子(70)日仏翻訳者 晶の母

 志賀澤子
天野みちる(20)大学生 天野の娘

 永野愛理
多部真紀(20)大学生 みちるの友だち

 仙石貴久江
水越まゆみ(52)喫茶店店員 葉子の友だち
 
奈須弘子

—あらすじ—

大学生の多部が望まない妊娠をしてしまった。

友人みちるに相談して、海外の支援団体から「中絶薬」を送ってもらって中絶することにした。
みちるの母の同僚であるにカードを借りて送金し、薬は届いた。
中絶薬は二種類、2日間かけて飲む。海外では広く普及している薬だが、日本ではやっと承認申請するところだ。(2021/12/22申請)
安全な場所は?と考えた末、やはり母の同僚のに頼んで泊めてもらうことにした。

この物語は2日目の薬を飲む一夜を描く。

みちるの行動に不信を覚えた母・天野が、晶の家に乗り込んでくる。行動的なみちるだが、母親とはあまり口をきかず、わだかまりを抱えていた。みちるの妊娠を疑った天野に、多部が、自分が妊娠したのだと告げる。

一方、晶の母・葉子の友達で、総菜の宅配をしているまゆみも定期便を持参した。
この7人の女たちが、中絶の一夜を過ごすことになる。

中絶薬のこと、日本の医療のこと、生殖をコントロールする国家、その歴史などが語られる一方、7人のそれぞれが抱えてきたこと…妊娠、中絶、性、レイプ、家父長制、優生思想等が、モノローグや一対一の会話、更にみんなとのお喋りのなかで語られる。

多部は、6人の大人たちによって守られるなかで、無事に終えることができた。
7人の女たちは、それぞれ、この一夜の経験を持ち帰っていく…。





彼女たちの断片 HP