アフガニスタンのアヘン生産は記録的レベルに達し,先年の記録をさらに1/3ほど上回るものと思われる由,国連「麻薬と犯罪」局が発表。この2年間で2倍に増えたと報告は言う(棒グラフはリンク先参照)。
BBC news, South Asia Afghanistan opium at record high By Alastair Leithead,Monday, 27 August 2007
ヘルマンド州は単独で世界最大の麻薬生産地帯であり,コロンビア一国を上回るという。アフガニスタンは,世界のアヘンの93%以上を供給するという。報告によれば,多額の援助,Isafの展開にも関わらず,193,000ヘクタールのアヘンが栽培されている。
「19世紀の中国を除いて,これだけ違法作物に土地をつかっている国はない」,「麻薬と犯罪」局エグゼクティブ・ディレクターは言う。しかし北方諸州は麻薬生産から比較的自由である。この麻薬生産の増大は,南部の不安定さと反乱勢力とに深く関係するものである。
そして,何がなされるべきか? 報告は安寧を齎すための,より決然たる努力を求める。汚職を根絶し,アヘン栽培を撲滅し,統治と司法を強化する―べきである。
また同日付の別のBBCの記事,Inside an Afghan opium market By Bilal Sarwary,Monday, 27 August 2007もアフガニスタンのアヘン問題を扱う。
こちらは現地調査記事。記者氏がアフガン―パキスタン国境付近のNangarhar州Shaddle Bazaarに入り,農民やトレーダーにインタビューしたもの。
タリバン政権下に開かれたこのバザールは,タリバン崩壊後その筋の手入れをうけたが,そのたび復活したという。パキスタンの紙幣を数えるものあり,十キロものアヘンを持ち込む者あり,緑茶で商談したりと活気がある。
アヘンを持ち込む農民も大変だ。
政府のエージェントに見つかれば没収。山賊に見つかったら略奪。一年間その家族を養うための,大切な収入源だ。朝の4時から家を出て,4時間かけてバザールにやってくる。
多額の取引だ。最終的には,ヨーロッパや中東の市場に流れて,麻薬依存の患者を作り出す。それで得られた資金は反政府闘争に用いられる。政府担当官は嘆く。敵対勢力のほうが人数が多かったり,装備がよかったりする!
仲買人だって,必ずしも好き好んでやっているわけではない。45歳の取引人は,これは生きのびるための手段だという。「もし道路があって,病院があって,工場があってだな,で職を得る機会があれば,俺だってこんな仕事,やってないよ」
20キロもアヘンを持ち込んだ農民は,アフガン政府や国際社会を非難する。農民をターゲットにするのはどうだろう,違法取引人どもを狙うべきだろう? 「ヘロインを西洋世界に売り飛ばす連中を狙うべきだよ。私は家族を養うためにアヘンを栽培してる。こいつから,かれらは薬だって作れるだろう? 水と道路があればね,ケシつくりはやめるよ」
記者氏が協力してくれたトレーダーの店を去る際,彼は記者に言う。アヘン売りなんて,やりたい仕事じゃないんだと。
「こんなもん,子供たちにやらせたくはないなぁ。希望は持ってるんだけどね,いつか,世界は俺らを助けてくれるって。そのときには,俺らはアヘン取引,やめられるのさ」
BBC news, South Asia Afghanistan opium at record high By Alastair Leithead,Monday, 27 August 2007
ヘルマンド州は単独で世界最大の麻薬生産地帯であり,コロンビア一国を上回るという。アフガニスタンは,世界のアヘンの93%以上を供給するという。報告によれば,多額の援助,Isafの展開にも関わらず,193,000ヘクタールのアヘンが栽培されている。
「19世紀の中国を除いて,これだけ違法作物に土地をつかっている国はない」,「麻薬と犯罪」局エグゼクティブ・ディレクターは言う。しかし北方諸州は麻薬生産から比較的自由である。この麻薬生産の増大は,南部の不安定さと反乱勢力とに深く関係するものである。
そして,何がなされるべきか? 報告は安寧を齎すための,より決然たる努力を求める。汚職を根絶し,アヘン栽培を撲滅し,統治と司法を強化する―べきである。
また同日付の別のBBCの記事,Inside an Afghan opium market By Bilal Sarwary,Monday, 27 August 2007もアフガニスタンのアヘン問題を扱う。
こちらは現地調査記事。記者氏がアフガン―パキスタン国境付近のNangarhar州Shaddle Bazaarに入り,農民やトレーダーにインタビューしたもの。
タリバン政権下に開かれたこのバザールは,タリバン崩壊後その筋の手入れをうけたが,そのたび復活したという。パキスタンの紙幣を数えるものあり,十キロものアヘンを持ち込む者あり,緑茶で商談したりと活気がある。
アヘンを持ち込む農民も大変だ。
政府のエージェントに見つかれば没収。山賊に見つかったら略奪。一年間その家族を養うための,大切な収入源だ。朝の4時から家を出て,4時間かけてバザールにやってくる。
多額の取引だ。最終的には,ヨーロッパや中東の市場に流れて,麻薬依存の患者を作り出す。それで得られた資金は反政府闘争に用いられる。政府担当官は嘆く。敵対勢力のほうが人数が多かったり,装備がよかったりする!
仲買人だって,必ずしも好き好んでやっているわけではない。45歳の取引人は,これは生きのびるための手段だという。「もし道路があって,病院があって,工場があってだな,で職を得る機会があれば,俺だってこんな仕事,やってないよ」
20キロもアヘンを持ち込んだ農民は,アフガン政府や国際社会を非難する。農民をターゲットにするのはどうだろう,違法取引人どもを狙うべきだろう? 「ヘロインを西洋世界に売り飛ばす連中を狙うべきだよ。私は家族を養うためにアヘンを栽培してる。こいつから,かれらは薬だって作れるだろう? 水と道路があればね,ケシつくりはやめるよ」
記者氏が協力してくれたトレーダーの店を去る際,彼は記者に言う。アヘン売りなんて,やりたい仕事じゃないんだと。
「こんなもん,子供たちにやらせたくはないなぁ。希望は持ってるんだけどね,いつか,世界は俺らを助けてくれるって。そのときには,俺らはアヘン取引,やめられるのさ」
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