空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

「政治色」理由に変質する社会、かな

2019-05-25 18:56:32 | ノート
朝日新聞 「政治色」理由に施設を貸し渋る日本 変わり始めた欧米 編集委員・大西若人 2018年12月23日14時59分

特に、トランプ政権下で社会の分断が進む米国と、EU離脱を目前にした英国の館長からは、「公共」を強く意識した発言が飛び出した

 ではその「公共」とはなんぞや、ということだ。

「いま、米国の状況は非常に難しい。政治的にも分断しています。その中で我々は、何が重要なのかを表現したい」と切り出したのは先月、東京の森美術館主催の討論会「拡張する現代美術と変わる美術館」に登壇した、ニューヨーク近代美術館(MoMA)のグレン・ラウリィ館長

トランプ大統領が、就任直後の2017年1月、アフリカ・中東の7カ国の国民の入国を一時禁ずる大統領令を出した際、私立財団が運営するMoMAでは、イラク出身の建築家ザハ・ハディドら、入国禁止になった国の出身者の作品を展示した

 それら諸国諸人民との連帯をしめすためにそうした―という理屈になるわけだ。これが『あんな、大統領。そうまでざっくりしすぎた切り分けはマズイだろ?』という異議申し立てであれば尤もなことなのだが―

 ―現実的な大衆の運動としては、むしろ分断をさらに煽るかのごときものとして受け取られかねず―極論、「アイツを排除せよ!」というむっちゃ政治的な、とゆーか排除の暴力もろだしになりかねない。トランプに反対するから価値が高い、みたいな価値の転倒が起こりかねない。

 例えば日本で最近問題になった”現代美術”の例だが―



 という一面があるにはあり―



 と、たかだか数年で退職するのがまず明らかな安倍なんぞはほっといて(※異例に異例を重ねた党規則改定で延長しようとしても、さあ、体力は持つかねえ)、次の世代の話をしようと言うのに対して、なによりまず今まさしく安倍を語るのが最大問題なのだといわれても、知ったことかよそんなの、と思わざるを得ない。

 しかし、しかしだ、少なくとも一部の人々にとっては、安倍の存在こそが最大危機のほぼ唯一の絶対的根源であり、これを除かないことには日本には絶望以外はありえない―そんな状態がもう、6,7年ばかし続いているのだ! だそうですが、長いナイフの夜はまだですか、先生!! というつっこみが!!!









 論点が違っている。世界観の闘争の問題であって、「安倍政権はダメだから交代すべきだ」と、 実 は 言 っ て い な い 人に対して、「よりよくなる対案を示せ」というのは反論になっていない。比較級の問題ではないのだ。「アベがいなくなる」という素晴らしい効用があるのにそれを取らないのはそもそも非合理的である、といわれているのに気付かないふりをするのはよくない、かもしれない。

 以前、しばしば安倍首相とヒトラーとを同一視する遊びが行われていた。
 あれが遊びではなく、本気だったと想定してみよう―それなら、ここで言われることが理解できるはずだ。

 クビツェクに、あらかじめ”この君の友人になるアドルフ・ヒトラーというのはユダヤ人を100万人単位で丼勘定で虐殺するアレになる。これがその将来の映像だ。ということで、アドルフ君はできるだけ早期に殺しておくべきなのだ”とアウシュヴィッツ・ビルケナウのアレな映像を数十時間に亙って「予防注射」をしたら、まあ、もしかしたらどっかの段階で暗殺してくれたかもしれない。

 ところがクビツェクには未来予知ができなかった。その当時の人々にはできなかった。過去の事例の蓄積がなかったこともある。

 さていま現に、「安倍=ヒトラー」というあまりにも明々白々たる、世界の民主主義の法則的な一大等式が確立したからには、当然、この「安倍=ヒトラー」を除去する以外に合理的な道はないではないか―と。そういうふうに主張されているものなのだ、これは。

 確かにヒトラーと同一視するには、まあ、まだユダヤ人大虐殺までは起こっていないだろう、しかしナチス独裁下でも暗殺計画はいくつも動いたのであって、そうまで至らない、そんな以前に早期にこの「安倍=ヒトラー」等式に気付いた叡智の我々こそが次世代の希望を導くのだ―

 というのだろう。
 まあ、政権成立(1933年;2012年)以来、まだ ”レーム一揆”長いナイフの夜(1934年6月-7月)は為されていないどころか、同性愛に対する態度は、超保守派向けのアドバルーン係を一応持ってはいたものの、はっちゃけすぎたのでご指導が入るレベルでは、まあ、消極的好意を示しているというのは…まあまあ公平な態度かと思う。

 ドイツ国会議事堂放火事件(1933年2月)相当の事件はまだ起こっていないものと思われる。いや別に国会議事堂が燃えなくてもいいが、敵対党派議員に対する大規模フレームアップ逮捕祭りはないよな。
 幸いなことに、まだvom Rath暗殺事件(1938年)相当のことは起こってない。あったらマズイが。この点では韓国がヤバげで、この21世紀にいたってなおリッパート駐韓大使襲撃事件なんぞが起こってる。

 水晶の夜(1938年11月)相当も、まだないものと思われる。

 ところで大悪魔と評するに足るイラク・フセインを打破するのは必ず正しいと評価すべきことと思うが―独裁者フセインを打破するのは正義といわざるを得ないと思うが、さてそうまでの大悪魔・安倍氏を打破したあとはどうなりますかねー、とは、やはり問うべきではあろうなあ…。



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