カシミールで死者を伴う小規模交戦

　インド軍・パキスタン軍がカシミールの実効支配境界線で衝突。衝突自体は珍しいとまではいかないが，死亡者まで出るのは珍しい。

BBC India and Pakistan in Kashmir border skirmish 6 January 2013

　パキスタン側の主張によれば，インド軍がHaji Pir地区のSawan Patraなる名の軍詰所を襲撃した。「パキスタン軍は効果的にこの攻撃に対応した」，そうしてインド側は装備を放棄して撤退したという。パキスタン側は兵一名を戦死で失い，ほかに一名が重傷という。

　このHaji Pir回廊は，パキスタン側のMuzaffarabadからインド側のSrinagarをつなぐ中央道のすぐ南にあるのだそうだ。

　インド軍広報官Jagadish Dahiya大佐がReutersに語るところでは，これは停戦協定違反に応えるものであって，自軍は統制線を越えてはいないとし，兵員の損失も負傷もないとする。

　別の広報官Brijesh Pandey大佐がAPにいうには，パキスタン兵が挑発ならざる射撃を始めたのだという。迫撃砲と自動火器をインド側軍詰所に放ち，民間人の家屋一軒が破壊されたのだという。「我々は小火器を用いて報復を行った。我々は，これが明らかに，わが方に好戦主義者（実際上，テロリストと言いたいものと思われる）を浸透させる試みなのだと信じている」。

　2008年のムンバイ事件以来停止していた対話は昨年2月に再開したばかり。先月，一定の市民にヴィザ発給規制を緩める合意をサインしたばかり。