空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

ある意味では見事

2008-10-23 20:24:27 | Weblog
 国内情勢は基本的に新聞読む程度しか追わないのですが:

産経ニュース 【正論】初代内閣安全保障室長・佐々淳行 日教組よ、まず「自己批判」せよ 2008.10.21 02:50

 冒頭「政治信念貫いた中山氏」(以下青字は引用)なる小見出しで始まるこの記事。うん,政治信念を貫いたのだろうね,彼は。
 しかし「中山成彬前国土交通大臣が、日教組(日本教職員組合)が日本の教育に及ぼした害悪を批判し」,「政治信念を貫いて日教組批判を撤回せず大臣を辞め、堂々と自らの責任をとった」とありますが,それは堂々たるものだったか。ところで国土交通大臣だよね,彼は。文科省トップじゃないよね。

 TPOがワルイという問題じゃない。日教組批判の中核は,『子供の教育を第一に考えるべきである存在であるのに,政治闘争にかまけ,子供らを闘争の道具として利用している』点にあるべきだ。

 記事には「日教組は教育現場で半世紀にわたり、子供の教育よりイデオロギー闘争を優先させ、初等・中等公立学校教育を今日のような荒廃に陥れた」とある。この記事の論者は,彼が論じるところの教育の荒廃を日教組の罪とするようだ。「反体制的な自虐史観、日の丸・君が代反対、全国学力テスト反対、デモ・座り込みなどの校外での政治活動優先…と、いちいち、中山氏が指摘した通りではないか」。

 しかし,そのイデオロギーが如何にあるかが,その善悪の基準であろうか。そのイデオロギーが「よい」ものであれば,公職にあるという地位を利用してかまわないというのか。ここで中山氏のためにyesというひとがあれば,そのひとはなんと恐ろしいことをいうのだろう! 国土交通相はその職を賭して日教組と戦わねばならないのか?

 私が思うに,中山元大臣の罪は『大臣の職を自説流布の道具とした』点にある。大臣になれば皆,話を聞いてくれる―そんな具合に,大臣の職を利用した点に。それはその説の方向が違いこそすれ,彼の批判する日教組と同じ過失ではないのか。彼は彼の論理からして辞めざるを得なかったのだ。



 そんなわけで,中山氏は公職を私的な思想信条宣伝のために利用し本業を疎かにした(やる暇も無かった)廉で当然批判されるべきであり,寧ろ不名誉な辞任が相応しかろう。
 それと同様,中山氏が批判するところの日教組の人々も当然非難されるべきであり,不名誉と二人連れでなければならない。
 それはそのイデオロギーが「よい」か「わるい」かに関わらず,本来なすべき職務を蔑ろにし,自己の思想信条のため地位を利用したからだ。

 何かしらのイデオロギーに与すると決めてから批判なり非難なり擁護なりを繰り出そうとするから胡散臭くなるって面はあるんじゃないかな,かな。
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