マリ北部のイスラミスト勢力のうちの一つ,Ansar Dineが分裂。The Islamic Movement for Azawadを名乗る分派が成立した模様:
BBC Mali's Ansar Dine Islamists 'split and want talks' 24 January 2013 Last updated at 11:51 GMT
しかも,全面的にマリ人によって構成される集団であり,この紛争に平和的な解決を望むものである―と自己規定するようなのである。
その自意識はグループ名にもあらわれている。Azawad,それはTuaregの望む国家(地域)名だ。
声明に曰く,マリ政府とフランスは,自分たちが支配する北東地域―Kidal,Menakaでは敵対行動をやめてほしい。そして包括的政治的解決のための和平の雰囲気を作り出してもらいたい。
―フランスの攻勢が強化される中,ありがちな時間稼ぎの可能性もそりゃああるが,しかしAzawadの名前を出すのはちょっと意味があるかと思われる―『私たちは国際テロ組織じゃありませんよ,民族自決したいだけなんです』,そんなメッセージである可能性があろう。
もちろん,そういう名前であってこそ,地元民の支持を得ることもできようし,ね。
この一団の指導者はAlghabass Ag Intalla。彼は2012年のBurkina Fasoでの和平交渉の際の交渉人でもあった(私もちょっと聞き覚えがある)。Tuaregの出で,しかもKidal出身。
先日紹介した記事には,実は,北部の諸勢力は”外国人勢力からなるというわけでもない”旨の説明がありました。つまりまあ,ソマリア趣味者の文脈で言えば,モガディシュを制圧した段階のイスラム法廷勢力みたいなもんで,国民運動・民族運動の側面があるのよー,的な意味であったか。
そんな一団が分離して出てきたということで,ということは他のグループの”外国人戦闘員”率は上がったものと思われますな。
さあ,面白くなってきた。
あとは南部(政府側)がTuaregのAzawad自治要求をどこまで認める気があるか,というところだろうか。亀裂は深いようですけどねえ。
あとマリのイスラミスト集団リストがついてて便利なので軽く訳する:
・Ansar Dine:マリ国内で成長した集団。カダフィ大佐のとこで戦ってたTuareg戦士を多く含むという。ここから,和平交渉を求めるIslamic Movement for Azawadが分離した。
・Al-Qaeda in the Islamic Maghreb (AQIM):イスラミック・マグレブ。アルカイダの北アフリカ分派。アルジェリアに根っこあり。
・Movement for Unity and Jihad in West Africa (Mujao):イスラミック・マグレブの分派。西アフリカにジハードを展開しようとする人々。
なお,本blogをMujaoで検索すると,だいたいマリ北部で最近行われた碌でもないことの多くはMujaoとAQIMの人達のせいというのがほの見える。というか,泥坊さんの手をちょん切ったりという,西欧民主主義者が特に嫌ってそうなのんの責任者っぽい傾向。
・Signed-in-Blood Battalion:最近AQIMから分派した,アルジェリアのガス施設事件にも関わったという国際ジハード主義者。「血盟団」「血盟大隊」と言ったところか,ほどよく燃えるネーミングがいかにもそれらしい。
BBC Mali's Ansar Dine Islamists 'split and want talks' 24 January 2013 Last updated at 11:51 GMT
しかも,全面的にマリ人によって構成される集団であり,この紛争に平和的な解決を望むものである―と自己規定するようなのである。
その自意識はグループ名にもあらわれている。Azawad,それはTuaregの望む国家(地域)名だ。
声明に曰く,マリ政府とフランスは,自分たちが支配する北東地域―Kidal,Menakaでは敵対行動をやめてほしい。そして包括的政治的解決のための和平の雰囲気を作り出してもらいたい。
―フランスの攻勢が強化される中,ありがちな時間稼ぎの可能性もそりゃああるが,しかしAzawadの名前を出すのはちょっと意味があるかと思われる―『私たちは国際テロ組織じゃありませんよ,民族自決したいだけなんです』,そんなメッセージである可能性があろう。
もちろん,そういう名前であってこそ,地元民の支持を得ることもできようし,ね。
この一団の指導者はAlghabass Ag Intalla。彼は2012年のBurkina Fasoでの和平交渉の際の交渉人でもあった(私もちょっと聞き覚えがある)。Tuaregの出で,しかもKidal出身。
先日紹介した記事には,実は,北部の諸勢力は”外国人勢力からなるというわけでもない”旨の説明がありました。つまりまあ,ソマリア趣味者の文脈で言えば,モガディシュを制圧した段階のイスラム法廷勢力みたいなもんで,国民運動・民族運動の側面があるのよー,的な意味であったか。
そんな一団が分離して出てきたということで,ということは他のグループの”外国人戦闘員”率は上がったものと思われますな。
さあ,面白くなってきた。
あとは南部(政府側)がTuaregのAzawad自治要求をどこまで認める気があるか,というところだろうか。亀裂は深いようですけどねえ。
あとマリのイスラミスト集団リストがついてて便利なので軽く訳する:
・Ansar Dine:マリ国内で成長した集団。カダフィ大佐のとこで戦ってたTuareg戦士を多く含むという。ここから,和平交渉を求めるIslamic Movement for Azawadが分離した。
・Al-Qaeda in the Islamic Maghreb (AQIM):イスラミック・マグレブ。アルカイダの北アフリカ分派。アルジェリアに根っこあり。
・Movement for Unity and Jihad in West Africa (Mujao):イスラミック・マグレブの分派。西アフリカにジハードを展開しようとする人々。
なお,本blogをMujaoで検索すると,だいたいマリ北部で最近行われた碌でもないことの多くはMujaoとAQIMの人達のせいというのがほの見える。というか,泥坊さんの手をちょん切ったりという,西欧民主主義者が特に嫌ってそうなのんの責任者っぽい傾向。
・Signed-in-Blood Battalion:最近AQIMから分派した,アルジェリアのガス施設事件にも関わったという国際ジハード主義者。「血盟団」「血盟大隊」と言ったところか,ほどよく燃えるネーミングがいかにもそれらしい。
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