私がPC調整をしている間に,これはまた大事が起こったもので。
まずここ数日のごたごたの発端は:
Shabelle media Network Somali parliament asks foreign troops to send to Somalia with in 24 hours Posted: 6/20/2009 6:07:00 PM
ソマリア議会が24時間以内の近隣諸国―ケニア,ジブチ,エチオピア,イェメンの名が記事中に挙げられている―のソマリア軍事介入を求めたこと。議長Sheik Aden Mohamed Nor "Madobe"が記者会見で表明したもの。モガディシュの暫定政府存亡の危機である,諸国は援助されたし―というもの。議会の承認は得ている様子。
なお,Madobeは,反政府闘争はパキスタンからやってきたアルカイダのsenior leaderに指導されている―と報道陣に語る。
Shabelle media Network Yemen, Somalia Presidents in phone conversation Posted: 6/20/2009 9:44:00 PM
これは,元ソースはYemenのSabaだそうですが,イェメン首相にソマリア首相が電話会談を申し込んだとのこと。軍事介入云々も,そりゃまあ,一言二言位はあったかもしれません。
ですが,その,常識的に考えて24時間以内の介入って,ンな無茶な。常時スタンバってるコマンド部隊を投入するとかくらいしか。そんなことそうそうできる国も,ありそうではないんですが。そんな上等な部隊があるくらいなら,イェメン沖の海賊対策はもっとマシだったでしょう。
ありえるシナリオとしては,無論,先ごろ所謂捜索作戦をソマリア領内で行ったエチオピア―あの国なら,後方に控えさせておいた人員(たとえば,交代要員とか。バックアップは用意してるでしょうから)を前進させるだけで,そこそこの圧になりそうです:
Shabelle media Network Ethiopian troops start movement in the border between Somalia and Ethiopia Posted: 6/21/2009 3:50:00 PM
HiranのJawil村にエチオピア軍が入ったとか,ベレトウェインからの報告では国境付近のFeer-feerにエチオピア軍の装甲車両付き兵員が入ったとか。
BBC Ethiopia rejects Somali request 21 June 2009 03:18 UK
但し,公式にはソマリア議会の要請を拒否する―そうした行動には,国際社会の認知が必要であるとして。
ですので,Hiranでの兵員増強は,ソマリア議会の要請に応える行動というより,寧ろ先の治安相暗殺事件を受けて捜索(に名を借りた反政府勢力への威圧?)行動を強化するものでは,と考えるのが妥当なんでは。
BBC Somalia suicide bomb toll rises 19 June 2009 12:29 UK
つまりOmar Hashi暗殺が,周辺諸国のみならず国際的にインパクトの大きな事件であったところ,その隣接国的軍事的対応の形なんでは。上掲BBC記事中に述べられていますが,非難声明はAU,EU,UN,さらにアラブ連盟にIgadから出てます。曰く,「極論主義者たちは―ソマリ人も外国人たちも―,そのクーデター計画を失敗し,その無差別な暴力を続けている」。
議会の24時間なんて期限付き声明は,今日明日のレベルでは自分たちが危機にあることのアピールにしかならないのではないか。でなければ,多少の根回しくらいはしておくだろう。ケニアやエチオピアが即座に動いてくれるように。
であればこそ,ケニアの動きは,少なくとも現時点では軍事行動の示唆に留まるわけなのではないか:
ShabelleMediaNetwork Kenya to intervene in Somalia crisis Posted: 6/19/2009 8:15:00 PM
ナイロビのDaily Nationがソースの様子。ケニア政府は加速度的に悪化するソマリア危機に介入を誓う,という。外相Moses Wetang’ula曰くEU使節と反政府派がソマリア政府要員を狙いうちにする件を巡って会談。これは大統領から,「ケニアの戦略的関心に対する治安上の脅威」に鑑みて命じられたものである様子。
外相は介入手段について明言はしないものの,軍事的介入の可能性を示唆した由。AUもIgadもソマリア政府を民兵らの攻撃から守るために諸オプションを検討しているのだという。なお反政府派民兵の支配する空港周辺は‘no-fly zones’に指定されたとか。武器補給を封じるということでしょうが,まあエリトリアの言い分ではたしか,エリトリアから空路武器弾薬が南ソマリアに運ばれているなどということはありませんので,空路が封鎖されようとなんの問題もないのではある。というか民間輸送が怪しくなりますが。
ともあれ外相曰く「こうした状況では,我々は傍観者でありつづけることはできない」。
既に国境地帯に兵を集めているようですが,即座に攻撃態勢に入れるかどうかは別の問題だし,政治が決断するかどうかも別の問題ですってば。
ShabelleMediaNetwork Islamic administration in Kismayu town warns Kenya to stop intervening Somalia Posted: 6/21/2009 8:23:00 PM
でまあ,ケニアはまだ軍を進入させるとは明言していない状態で,キスマユのアルシャバブ政権市長Hassan Ya’qubは:「我々はケニアに警告している。我々は彼らに言う,我々はガラスの馬ではないと。だから,もし君たちがソマリアの事情に介入しつづけたり,この国のどこであれ攻撃するならば,我々は黙ってはおるまい。我々はナイロビのビル群を攻撃するだろう」。
…それは『テロ攻撃するぞ』という意思表示でしょうか。無敵アルシャバブ民兵団がナイロビまで進撃するとかゆー意味でしょうか。
また他方,情報担当氏は援助団体を非難する。民衆を助けると言ってこの国に入ってきているが,彼らは外国のためにスパイをしているのだ,といつもの如くの非難です。
ShabelleMediaNetwork Sheik Aweys says ‘they will fight with any foreign troops’ Posted: 6/21/2009 8:31:00 PM
そーいうわけで,Aweysとしては当然,外国軍をさらにソマリアに入れようなんてアイディアには反対。
ここら辺は,もはや現地の高度な政治的駆け引きの一部のはずで,この「ゲーム」の「ルール」を理解している人はさほど多くはあるまいと思います。しかも勝利条件はこれから決まる,とゆー性質の「ゲーム」だろうし。
ShabelleMediaNetwork Somali MP killed in Mogadishu Posted: 6/20/2009 3:32:00 AM
BBC Somali MP gunned down in capital 19 June 2009 19:40 UK
暫定議会議員Mohamed Husein Adow氏がモガディシュの戦闘で死亡。戦死と思われる。これでここ最近,政府側の名を言及するに足る死者は3名(以上)。
まずここ数日のごたごたの発端は:
Shabelle media Network Somali parliament asks foreign troops to send to Somalia with in 24 hours Posted: 6/20/2009 6:07:00 PM
ソマリア議会が24時間以内の近隣諸国―ケニア,ジブチ,エチオピア,イェメンの名が記事中に挙げられている―のソマリア軍事介入を求めたこと。議長Sheik Aden Mohamed Nor "Madobe"が記者会見で表明したもの。モガディシュの暫定政府存亡の危機である,諸国は援助されたし―というもの。議会の承認は得ている様子。
なお,Madobeは,反政府闘争はパキスタンからやってきたアルカイダのsenior leaderに指導されている―と報道陣に語る。
Shabelle media Network Yemen, Somalia Presidents in phone conversation Posted: 6/20/2009 9:44:00 PM
これは,元ソースはYemenのSabaだそうですが,イェメン首相にソマリア首相が電話会談を申し込んだとのこと。軍事介入云々も,そりゃまあ,一言二言位はあったかもしれません。
ですが,その,常識的に考えて24時間以内の介入って,ンな無茶な。常時スタンバってるコマンド部隊を投入するとかくらいしか。そんなことそうそうできる国も,ありそうではないんですが。そんな上等な部隊があるくらいなら,イェメン沖の海賊対策はもっとマシだったでしょう。
ありえるシナリオとしては,無論,先ごろ所謂捜索作戦をソマリア領内で行ったエチオピア―あの国なら,後方に控えさせておいた人員(たとえば,交代要員とか。バックアップは用意してるでしょうから)を前進させるだけで,そこそこの圧になりそうです:
Shabelle media Network Ethiopian troops start movement in the border between Somalia and Ethiopia Posted: 6/21/2009 3:50:00 PM
HiranのJawil村にエチオピア軍が入ったとか,ベレトウェインからの報告では国境付近のFeer-feerにエチオピア軍の装甲車両付き兵員が入ったとか。
BBC Ethiopia rejects Somali request 21 June 2009 03:18 UK
但し,公式にはソマリア議会の要請を拒否する―そうした行動には,国際社会の認知が必要であるとして。
ですので,Hiranでの兵員増強は,ソマリア議会の要請に応える行動というより,寧ろ先の治安相暗殺事件を受けて捜索(に名を借りた反政府勢力への威圧?)行動を強化するものでは,と考えるのが妥当なんでは。
BBC Somalia suicide bomb toll rises 19 June 2009 12:29 UK
つまりOmar Hashi暗殺が,周辺諸国のみならず国際的にインパクトの大きな事件であったところ,その隣接国的軍事的対応の形なんでは。上掲BBC記事中に述べられていますが,非難声明はAU,EU,UN,さらにアラブ連盟にIgadから出てます。曰く,「極論主義者たちは―ソマリ人も外国人たちも―,そのクーデター計画を失敗し,その無差別な暴力を続けている」。
議会の24時間なんて期限付き声明は,今日明日のレベルでは自分たちが危機にあることのアピールにしかならないのではないか。でなければ,多少の根回しくらいはしておくだろう。ケニアやエチオピアが即座に動いてくれるように。
であればこそ,ケニアの動きは,少なくとも現時点では軍事行動の示唆に留まるわけなのではないか:
ShabelleMediaNetwork Kenya to intervene in Somalia crisis Posted: 6/19/2009 8:15:00 PM
ナイロビのDaily Nationがソースの様子。ケニア政府は加速度的に悪化するソマリア危機に介入を誓う,という。外相Moses Wetang’ula曰くEU使節と反政府派がソマリア政府要員を狙いうちにする件を巡って会談。これは大統領から,「ケニアの戦略的関心に対する治安上の脅威」に鑑みて命じられたものである様子。
外相は介入手段について明言はしないものの,軍事的介入の可能性を示唆した由。AUもIgadもソマリア政府を民兵らの攻撃から守るために諸オプションを検討しているのだという。なお反政府派民兵の支配する空港周辺は‘no-fly zones’に指定されたとか。武器補給を封じるということでしょうが,まあエリトリアの言い分ではたしか,エリトリアから空路武器弾薬が南ソマリアに運ばれているなどということはありませんので,空路が封鎖されようとなんの問題もないのではある。というか民間輸送が怪しくなりますが。
ともあれ外相曰く「こうした状況では,我々は傍観者でありつづけることはできない」。
既に国境地帯に兵を集めているようですが,即座に攻撃態勢に入れるかどうかは別の問題だし,政治が決断するかどうかも別の問題ですってば。
ShabelleMediaNetwork Islamic administration in Kismayu town warns Kenya to stop intervening Somalia Posted: 6/21/2009 8:23:00 PM
でまあ,ケニアはまだ軍を進入させるとは明言していない状態で,キスマユのアルシャバブ政権市長Hassan Ya’qubは:「我々はケニアに警告している。我々は彼らに言う,我々はガラスの馬ではないと。だから,もし君たちがソマリアの事情に介入しつづけたり,この国のどこであれ攻撃するならば,我々は黙ってはおるまい。我々はナイロビのビル群を攻撃するだろう」。
…それは『テロ攻撃するぞ』という意思表示でしょうか。無敵アルシャバブ民兵団がナイロビまで進撃するとかゆー意味でしょうか。
また他方,情報担当氏は援助団体を非難する。民衆を助けると言ってこの国に入ってきているが,彼らは外国のためにスパイをしているのだ,といつもの如くの非難です。
ShabelleMediaNetwork Sheik Aweys says ‘they will fight with any foreign troops’ Posted: 6/21/2009 8:31:00 PM
そーいうわけで,Aweysとしては当然,外国軍をさらにソマリアに入れようなんてアイディアには反対。
ここら辺は,もはや現地の高度な政治的駆け引きの一部のはずで,この「ゲーム」の「ルール」を理解している人はさほど多くはあるまいと思います。しかも勝利条件はこれから決まる,とゆー性質の「ゲーム」だろうし。
ShabelleMediaNetwork Somali MP killed in Mogadishu Posted: 6/20/2009 3:32:00 AM
BBC Somali MP gunned down in capital 19 June 2009 19:40 UK
暫定議会議員Mohamed Husein Adow氏がモガディシュの戦闘で死亡。戦死と思われる。これでここ最近,政府側の名を言及するに足る死者は3名(以上)。
その進駐してきたという勢力はどれくらいなのか。
『我々,モガディシュで死にそうです!』って言って助けを求めたはずの人々を助けにヒランに進駐ってのは何か違わないか。
http://english.aljazeera.net/news/africa/2009/06/200962012118631841.html
そりゃアンタ,常識的には自国国境周辺の治安確保が主眼だろうさ。てかSekaiNippoの中の人はアルジャジーラの中の人の分析とか読んであげるとよいと思うの。
そりゃモガディシュ落とすのには一個師団もあれば十分でしょうが,本国から前線までの治安確保や輸送や本来の国境警備やらでどれだけ兵隊が要るのかと。ただ進駐してた時期でさえ6000~8000ほど要ったわけですが。
それだけの兵隊を既に動かしてたとしたら,それだけで国際問題かと思われますが。
なんかこー,時間と空間と予算の可能性や人間的限界なんかを考慮に入れられないもんだろうか。新聞記者とかは。