BBC SE Asia migrants 'killed in fight for food' on boat 17 May 2015
…うん。インドネシア沖で沈没した違法移民を乗せた船での悲劇を伝える記事。最後に残った食料をめぐって殺人まで起きたとのこと。人々は刺され、吊られ、海に投げ込まれたと。但し、BBCの記者のインタビューに答えたものであり、公的な確認事項ではない。
まあ、3名から同様のことを聞き取ったもののようで…多少割り引いて考えるにしても、結構アレなことが船上で起こっただろうことはほぼ確実と思ってよいかと。
この事件の場合、死亡約100人に対して救助されたのは700名であって、生存確率的には(この種のものにしては)そう悪くない。
「If true, the claims will add to the growing international pressure on Asian countries to find a solution to this crisis, our correspondent says」
で、あるわけで。
問題の「バングラデシュ、ミャンマーの人々」といううち、「ミャンマー」で言及されるのはRohingyaたちであろう、もちろん。彼らにそれなりの位置を保障してあげなさいよ、という圧力が強まるであろうというわけである。
が、「ない袖は振れない」とも言う。とりあえずミャンマーとしては、これから経済発展を無理やりにも展開させねばならないところ、そのためのなけなしの余裕をなんで「外国人」のために使わねばならんのだ、といいたくなるだろう。
―いや国の法律上、Rohingyaは「ミャンマー人」にはならず、もし市民権を認められても「バングラデシュ系ミャンマー人」になるだろうから、あそこの場合。
もちろん、ミャンマー政府としては事故に対する責任を認めず、そうした問題を語るサミットには参加しないと声明しているそう。
なお彼らはマレーシアに上陸しようとしたが、マレーシア海軍から拒否されたとのこと。
そうこうしている間にも、この日曜には、ミャンマー北部の海岸に少なくとも5隻の違法移民船と思しき船が停泊しているのが目撃されたとか(収容は1000名ほどと見込まれる様子)。
BBC Why are so many Rohingya migrants stranded at sea? 15 May 2015
なんでまたこんな多数のRohingyaが海に流出するかねえ、というお話。一貫してRohingyaに対する抑圧が行われてきたのはそのとおりとして、しかし最近とみに多いなあ、と思わされる。これは2011年以降、だんだんに抑圧が強化されてきたからだ―と。というか、激しい衝突もありましたしね。
さらには最近(三月)、従来hundreds of thousandsのRohingyaたちに認められてきた”仮登録証明”が無効化されたそうで―つまり11月の選挙での投票権を否認されたわけで、地味に決定的に権利抑圧が進んじゃったわけである。
―アウンサンスーチー氏が非難される点でもあること言及があるが、実際の政治に無責任な反体制のアイドルだった頃とは異なり、実際に政党指導者・責任者となってしまったからには、難しい舵取りをせねばならないこと、多少思ってあげようとは思う。
…申し訳ないが、たぶん、積極的に・声高にRohingya保護を主張したら、選挙に勝てない。
また、対策の立て方にも考慮が必要であること、記事中に示唆されている。タイでsmugglersへの対策強化を打ち出したら、smugglersは海上で乗客たちを放棄したとか。
…うん、まあ。
EU諸国ならともかく、SEAsia諸国には装備も予算も決定的に足りてないだろう。例えば巡視船が多数あるとうれしいじゃないだろうか。船員(海上保安官)の訓練もあればうれしいんじゃないだろうか。難民保護の予算等々あればうれしいんじゃないだろうか。
EU諸国でさえ、イタリア・フランスでさえあっぷあっぷなのを思えば、これらSEAsia諸国を非難するだけでは足りないのは自明なわけで…。
で。関連諸国の対応(タイ、マレーシア、インドネシア、バングラデシュ)が纏められているが、まあ尤もではありますよねえ、というところ。バングラデシュの対応が<ミャンマーに送り返す>であったりするところ、さらに問題を深めますよねえとも思われるが。ミャンマーからすれば、『イスラム国から追い出された棄民のムスリムを、なんで仏教国が保護せねばならないのか』と文句をつけるだろう。
…Roghingyaの相当部分は3世代くらいミャンマー国内に生活の基礎を持っていたであろう事、それでもなおミャンマーの国内法的には「外国人」扱いなのだという点、こうした記事を読むときには注意しておくべきか。
最終的には、主にミャンマーが、ついでバングラデシュが解決の責任を大きく持つものだろうが、いまや東南アジア全域を巻き込むような大問題になってしまっている。これまでの頬かむりの責を負っているといえばその通りだろうが、解決のためのリソースは限られているのもその通りだろう。
BBC The unending plight of Burma's unwanted Rohingyas By Jonathan Head 1 July 2013
ラカイン/ヤカインでの難民キャンプの様子を報告。焼き討ち合戦みたいになったんで、仏教徒住民にも避難キャンプが用意されたというわけだろう、しかしこちらのほうが明らかにRohingya用のそれより立派だとか。
Rohingyaには移動の自由がなく、赤ん坊を産むためだろうがなんだろうが病院にもいけやしない。
…いやまあ、現地政府筋は組織的にRohingyaの数を減らそうとしているようで、”そういうコト”なんでしょうけど。
但し、現地の声はこの通りであり:
「"It's not possible to live with them, and we don't want to", Kyaw Lyaw Win, a Taekwondo instructor told me.
"They invaded our country. It's not just me saying this. Ask any Rakhine Buddhist - they will say the same thing."」
…控えめかつ上品にコメントすれば「前途多難」の一言だなあ、と。
なお類似の問題が起きているリビア方面では:
BBC Mediterranean migrants: Libya rejects EU military plans 11 May 2015
違法移民媒介者~人身売買業者に対する軍事的な対応をしたら?とEUに言われて、リビアが、だが断る、と言ってきたと。
…そりゃまあ、不法移民が乗っていなければ、ただの廃棄寸前の・または廃棄手続き済みの老朽船にすぎないだろうし(だからあらかじめデータベースを作っておいて、悪用される前にヤっちまえ、ということなのでしょうが)。
違法移民が乗っていたら、それはすでに、基本的には保護対象になっちゃってるわけだし。
なお越境者が増えすぎているためか、EU諸国に割り当て制を適用しようとの案がでているそう。一部国家が激しく反対しているそうだが。
とりあえずドイツは熱心に支持。イタリア・マルタ島・ギリシャといった、直接直面している国々も諸国に応分の負担を求める。他方ハンガリー、スロヴァキア、エストニアは―ハンガリー首相が"a crazy idea"とまで言うくらい―反対。英国も、主体的に行うのでない割り当て案は拒否したい意向とのこと。
…うん。インドネシア沖で沈没した違法移民を乗せた船での悲劇を伝える記事。最後に残った食料をめぐって殺人まで起きたとのこと。人々は刺され、吊られ、海に投げ込まれたと。但し、BBCの記者のインタビューに答えたものであり、公的な確認事項ではない。
まあ、3名から同様のことを聞き取ったもののようで…多少割り引いて考えるにしても、結構アレなことが船上で起こっただろうことはほぼ確実と思ってよいかと。
この事件の場合、死亡約100人に対して救助されたのは700名であって、生存確率的には(この種のものにしては)そう悪くない。
「If true, the claims will add to the growing international pressure on Asian countries to find a solution to this crisis, our correspondent says」
で、あるわけで。
問題の「バングラデシュ、ミャンマーの人々」といううち、「ミャンマー」で言及されるのはRohingyaたちであろう、もちろん。彼らにそれなりの位置を保障してあげなさいよ、という圧力が強まるであろうというわけである。
が、「ない袖は振れない」とも言う。とりあえずミャンマーとしては、これから経済発展を無理やりにも展開させねばならないところ、そのためのなけなしの余裕をなんで「外国人」のために使わねばならんのだ、といいたくなるだろう。
―いや国の法律上、Rohingyaは「ミャンマー人」にはならず、もし市民権を認められても「バングラデシュ系ミャンマー人」になるだろうから、あそこの場合。
もちろん、ミャンマー政府としては事故に対する責任を認めず、そうした問題を語るサミットには参加しないと声明しているそう。
なお彼らはマレーシアに上陸しようとしたが、マレーシア海軍から拒否されたとのこと。
そうこうしている間にも、この日曜には、ミャンマー北部の海岸に少なくとも5隻の違法移民船と思しき船が停泊しているのが目撃されたとか(収容は1000名ほどと見込まれる様子)。
BBC Why are so many Rohingya migrants stranded at sea? 15 May 2015
なんでまたこんな多数のRohingyaが海に流出するかねえ、というお話。一貫してRohingyaに対する抑圧が行われてきたのはそのとおりとして、しかし最近とみに多いなあ、と思わされる。これは2011年以降、だんだんに抑圧が強化されてきたからだ―と。というか、激しい衝突もありましたしね。
さらには最近(三月)、従来hundreds of thousandsのRohingyaたちに認められてきた”仮登録証明”が無効化されたそうで―つまり11月の選挙での投票権を否認されたわけで、地味に決定的に権利抑圧が進んじゃったわけである。
―アウンサンスーチー氏が非難される点でもあること言及があるが、実際の政治に無責任な反体制のアイドルだった頃とは異なり、実際に政党指導者・責任者となってしまったからには、難しい舵取りをせねばならないこと、多少思ってあげようとは思う。
…申し訳ないが、たぶん、積極的に・声高にRohingya保護を主張したら、選挙に勝てない。
また、対策の立て方にも考慮が必要であること、記事中に示唆されている。タイでsmugglersへの対策強化を打ち出したら、smugglersは海上で乗客たちを放棄したとか。
…うん、まあ。
EU諸国ならともかく、SEAsia諸国には装備も予算も決定的に足りてないだろう。例えば巡視船が多数あるとうれしいじゃないだろうか。船員(海上保安官)の訓練もあればうれしいんじゃないだろうか。難民保護の予算等々あればうれしいんじゃないだろうか。
EU諸国でさえ、イタリア・フランスでさえあっぷあっぷなのを思えば、これらSEAsia諸国を非難するだけでは足りないのは自明なわけで…。
で。関連諸国の対応(タイ、マレーシア、インドネシア、バングラデシュ)が纏められているが、まあ尤もではありますよねえ、というところ。バングラデシュの対応が<ミャンマーに送り返す>であったりするところ、さらに問題を深めますよねえとも思われるが。ミャンマーからすれば、『イスラム国から追い出された棄民のムスリムを、なんで仏教国が保護せねばならないのか』と文句をつけるだろう。
…Roghingyaの相当部分は3世代くらいミャンマー国内に生活の基礎を持っていたであろう事、それでもなおミャンマーの国内法的には「外国人」扱いなのだという点、こうした記事を読むときには注意しておくべきか。
最終的には、主にミャンマーが、ついでバングラデシュが解決の責任を大きく持つものだろうが、いまや東南アジア全域を巻き込むような大問題になってしまっている。これまでの頬かむりの責を負っているといえばその通りだろうが、解決のためのリソースは限られているのもその通りだろう。
BBC The unending plight of Burma's unwanted Rohingyas By Jonathan Head 1 July 2013
ラカイン/ヤカインでの難民キャンプの様子を報告。焼き討ち合戦みたいになったんで、仏教徒住民にも避難キャンプが用意されたというわけだろう、しかしこちらのほうが明らかにRohingya用のそれより立派だとか。
Rohingyaには移動の自由がなく、赤ん坊を産むためだろうがなんだろうが病院にもいけやしない。
…いやまあ、現地政府筋は組織的にRohingyaの数を減らそうとしているようで、”そういうコト”なんでしょうけど。
但し、現地の声はこの通りであり:
「"It's not possible to live with them, and we don't want to", Kyaw Lyaw Win, a Taekwondo instructor told me.
"They invaded our country. It's not just me saying this. Ask any Rakhine Buddhist - they will say the same thing."」
…控えめかつ上品にコメントすれば「前途多難」の一言だなあ、と。
なお類似の問題が起きているリビア方面では:
BBC Mediterranean migrants: Libya rejects EU military plans 11 May 2015
違法移民媒介者~人身売買業者に対する軍事的な対応をしたら?とEUに言われて、リビアが、だが断る、と言ってきたと。
…そりゃまあ、不法移民が乗っていなければ、ただの廃棄寸前の・または廃棄手続き済みの老朽船にすぎないだろうし(だからあらかじめデータベースを作っておいて、悪用される前にヤっちまえ、ということなのでしょうが)。
違法移民が乗っていたら、それはすでに、基本的には保護対象になっちゃってるわけだし。
なお越境者が増えすぎているためか、EU諸国に割り当て制を適用しようとの案がでているそう。一部国家が激しく反対しているそうだが。
とりあえずドイツは熱心に支持。イタリア・マルタ島・ギリシャといった、直接直面している国々も諸国に応分の負担を求める。他方ハンガリー、スロヴァキア、エストニアは―ハンガリー首相が"a crazy idea"とまで言うくらい―反対。英国も、主体的に行うのでない割り当て案は拒否したい意向とのこと。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます