旧制佐賀高校不知火寮寮歌「南に遠く」の歌詞について、佐賀大学楠葉同窓会「なんよう」No,97に、
「『南に遠く』は昭和7年にできた佐高が誇る畢生の作で、代表的な寮歌だ。園田卯吉が作詞し宮本(後に丹治) 汪が作曲した。生駒萬治校長は『園田の奇才、宮本の楽才、ここに極まれり』と絶賛した。」と、大谷希幸氏の記事が載っていました。
確かに、「南に遠く」の原文を目のあたりにして、使われている言葉の深さやベースにある漢文の素養にあらためて驚かされました。
また、自分の中で完結していたはずの1番から3番の中に、いくつかの発見がありました。
今回はまず、1番と2番について紹介します。
昭和7年度佐賀高等学校不知火寮寮歌「南に遠く」 作詞:園田卯吉
(一) 南に遠く振古より
ゆゑ知らぬ火の熾りたち
あけくれ若き血に煮ゆる
男の子の鴻図うながせば
健児つどへるこの野辺を
人あがめたり「火の国」と
(二) ああ青春よ我にまた
胸に燃え立つ火のありて
ゆくてはるけき人の世の
旅のしるべを求めてぞ
伝へも奇しき不知火を
名に負ふ寮にこもりたり
発見として、1番は「ゆゑ知らぬ火(ひ)」の「ひ」で、2番は「不知火(しらぬい)」の「い」となることです。
「火」を「ひ」と「い」と使い分けていますが、全体の流れを考えるとなるほどと納得します。また、「こうと」と歌っていたところの漢字が「鴻図」となっており、辞書を引いて初めて「大きなはかりごと」ということを知りました。
同じように4番や5番に出てくる「こうちょう」「きょうとう」「えんりょう」などの単語は、自分の語彙力ではまったく歯が立たない言葉でした。
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