のと鉄道・西岸駅から徒歩10分。七尾市中島町外ナ部、243号線沿いの七尾湾に面して、広大な敷地面積を擁する「旧室木家住宅」。
主屋を建てる為の建築用材は5年前から調達が始められ、明治12年から10年がかりで築造。建材には欅の巨木などがふんだんに用いられており、その細部に至るまで贅が凝らされています。
建物自体は明治時代に建てられたものですが、江戸時代の格式ある建築様式を継承。上座敷には黒柿と黒壇の床の間や付書院などが備え付けられています。
漆喰壁の土台に使われた石垣の左右には、室木家の家紋らしきものが浮き彫りにされています。 場所と刻まれたものから考えれば、おそらく施主の希望だったと思うのですが、確証はありません。
面白いと思ったのは、石垣の各所に家紋以外の吉祥柄のレリーフがあった事。それらが、施主の希望だったのか、それとも石工の遊び心だったのか、それも定かではありません。「松」「竹」「亀」・・・大きく羽を広げる「鶴」は、二つの石垣にまたがって彫られています。
「盃と徳利」の組み合わせも、やはり吉祥柄の類になるのでしょうか? それとも酒造業を営んでいたころの名残?ひょうたん型の徳利が微妙に傾いているところが、いかにもな感じで面白い。
扇面にびっしりと刻まれた文字は、この家の建築に関わる諸々の事柄でしょうか? 鮮明さに問題ありで、書かれた全文を読み解けないのがちょっと悔しかったりします(^^;)
民俗資料室として公開されている「旧米蔵」ですが・・
ご亭主殿の狙いは入り口の繊細な彩色鏝絵
広大な室木家住宅の全体をカメラに収めるには、国道を跨いで更に下がらなければ無理。 でもこれ以上下がると七尾湾に突入・・・筋金入りの金槌なので、流石にそれは・・・(-_-;)
訪問日:2015年5月20日