古川町弐之町に酒蔵を構える「渡辺酒造店」。明治三年(1870)の創業で店舗は国登録有形文化財の指定。大きな杉玉の横に架けられた「蓬莱」の看板、飛騨の濁り酒(どぶろく)なら「蓬莱」と言うのが定番だそうです。
その「渡辺酒造」の倉庫の角に、「杜氏酛摺(もとす)り像」と題された像があり、下に『司馬遼太郎』の書による言葉が刻まれています。二人の杜氏の凛々しい顔立ちは、是非ともアップで堪能してください😊
【杜氏殿の 心澄みゆき魂きはる いのちの酛は 生まれ初めけり】(酛は酒母の別名)
宝永元年(1704)創業の「有限会社蒲酒造場」。大きな杉玉の横に並ぶ「白真弓」の看板が歴史の重さを感じさせる建物は、国登録有形文化財の指定。
白真弓の名の由来は、万葉集の巻代十二の中にある「ひだ」の枕詞に由来するとも言われているとか・・「利は貪るべからず頂くべし」の家訓の元、「飛騨の銘酒:白真弓 大吟醸」を生み出しています。
弐之町の角に建つのは、「創業文化二年(1805):三伊呉服店」。店先でご亭主殿が熱心に見ているのは、額に納められた古い「染め型紙」。職種は違えど、かって共に着物の道に進んだ二人にとっては、これは必見のお宝。
和紙と灯芯と真綿で作った芯に、ハゼの実から出来た蝋を掛けながら形を整えて製作される『生掛和蝋燭』のお店、「三嶋和ろうそく店」。飛騨の風物詩「三寺まいり」のために、三嶋和ろうそく店では重さ13kgにも及ぶ大きな和ろうそくを作り、それぞれのお寺に奉納されています。
この和ろうそくはどこで見たんだったか・・・目に付くものを片っ端から写していると、つい関連付けを忘れてこういう結果になります😓
歴史とモダンが不思議なほど調和して、このシックな町並にすっぽりと溶け込んでみえるのも、古川の優しい雰囲気の魔法でしょうか?のんびりと見て歩けば、数え切れないほどの素敵に出会えて、いつの間にか時間を忘れている事に気づく。
水が美味しい飛騨ならではの、極上の珈琲を楽しませてくれるのが「壱之町珈琲店」。濃い珈琲の香りに歩き疲れた足もほぐれて幸せなひと時・・でも途中から漂ってきたカレーの香りは、私にはちょっと残念な思い出となりました。御亭主殿にはどっちも良い匂いだったようですが😅
訪問日:2012年5月18日