淡路瓦とは文字通り、淡路島で生産される粘土瓦の総称で、三州瓦、石州瓦と並ぶ日本三大瓦の一つとされています。美しい銀色のサエが特徴のいぶし瓦を主体に、釉薬瓦(陶器瓦)、無釉瓦。形状では和形やF形のほか多種類の形状のものが生産されており、特に「なめ土」と呼ばれる粒子の細かい粘土がいぶし瓦に適している事から、いぶし瓦の生産量は全国一を誇っています。
西淡三原IC近く、緑の道しるべにある「甍公園」。7万枚の瓦を使用して作られた「青海波ピラミッド」は淡路の山なみをイメージしたものです。
いぶし銀の輝きの中に意図的に配置した色瓦、目を細めると龍や鬼を表現しているのが見えます。
緑の道しるべ近く、新川に架かる「西路橋」。実はここの親柱に細工瓦があるという事で、ファンには垂涎物の隠れた名所になっています。私たちはたまたま見つけたのですが、いかにも良い事がありそうな「戎・大黒」。
釉薬瓦の「鬼」といぶし瓦の「鬼」の組み合わせ・・・、初めてこれを見た時は、さすがは淡路瓦の町だと思わずガッツポーズ😃!
淡路瓦の町:西淡町。それを実感させる場所のひとつが、三原川に架かる「御原橋」。
別名「歴史資料橋」とも呼ばれており、瓦を語る上で欠かせない奈良時代や室町時代などの古瓦が復元され、柱や欄干に取り込まれています。瓦好きはもちろん、歴史好きの足を停めさせること、間違いなし。
四箇所の親柱に嵌め込まれた鬼瓦は、薬師寺の「鬼神文鬼瓦」と、法隆寺の「鬼面文面鬼瓦」。
もちろん、オーソドックスな鬼瓦も阿吽で嵌めこまれています。
今日の車泊地「慶野(けいの)松原」。播磨灘に面した松帆古津路から松帆慶野にかけて、白い砂浜が約2,500mにのびる瀬戸内海でも随一の白砂青松の景勝地です。
播磨灘に沈む夕陽や沖合をいく小船の美しさは、古より語り継がれ、柿本人麻呂によって『万葉集』にも詠まれています。
【飼飯(けひ)の海の 庭よくあらし刈薦(かりごも)の 乱れ出づ見ゆ 海人(あま)の釣船 】
遠くに播磨灘、美しい白砂が広がる海岸線、濃い影を落とす淡路黒松。その下に並ぶ淡路瓦の「尉と姥」・・・淡路瓦??そう、実はこの慶野松原、現役を退いた瓦や寄贈された飾り瓦の隠れた聖地なのです。
公園内には愛の言葉を刻んだプロポーズ瓦が並ぶ「プロポーズ街道」と名付けられた散策道もあります。何で瓦なのかって?それは「かわら(瓦)ぬ愛を誓う」・・と言うことで、様々な国の恋人達の愛が溢れています。
「隆泉寺」からこちらに収められた瓦たち・・瓦の道はさらに奥に続きます。
いずれかの寺社の屋根で魔を退けていた鬼瓦たちも、今は静かにここで余生を過ごしています。
こんな風に、実はまだまだ驚くほど多彩な飾瓦が納められていて、しかもそのどれもが「以下略」で終わらせられない素晴らしいものばかり。そんな訳で明日は「慶野松原」の飾り瓦たちを紹介しようと思います。
それでは・・・お休みなさい😄 😊
訪問日:2010年9月18日
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