大森の風情ある町並みから銀山川沿いに入ってしばらく先、大田市大森町イに門を構える「浄土真宗寺院:西性寺(さいしょうじ)」。寛正六年(1465)の創建と伝えられる古刹で、大永四年(1524)に天台宗から浄土真宗に改宗。現在の本堂は元文四年(1739)に再建されたもので、この境内最古の建物です。
山号額の上、屋根天井を支える梁の部分には雌雄の・・これは何でしょうか?長い角を持つ霊獣は鹿に似ているけれど牙を持つ・・ああ、麒麟獅子かもしれない。対となる雌には角が無く顔立ちも穏やか。
西性寺への参拝を済ませたら・・・二年越しの願いを叶えるべく「経蔵」へ。
経蔵には、鏝絵の名人といわれた「左官の神様」『松浦栄吉』が大正七年(1918)60歳の時に制作した「鳳凰(ほうおう)・大輪の牡丹・菊」の花が描かれています。
県下随一の作品と言われる「鳳凰」。その羽の一枚一枚に不死の煌きと強さが溢れ、今にも壁の中から舞い上がるのではないかと思える程、それは何時間見ても見飽きない凄さ。
とかく「鳳凰」だけがクローズアップされがちですが、側面の「牡丹」も見事で、百花の王と讃えられる艶やかさで咲き誇っています。
古来より日本を代表する花の一つとされる菊花
持ち送りにも牡丹と菊花
満開に咲き誇る牡丹、もしかしたら夜毎にその馥郁たる香りを運んでいるのかもしれません。誰の元へ運んでいるのかって?・・・ここは『松浦栄吉』の菩提寺なのですよ(*^^*)
二年の歳月を経てやっと望みが叶い、直にこの目で見る事が出来た『松浦栄吉』の鏝絵。気持ちに納得出来たのか、それ以外の場所にも目を向ける余裕が生まれました(^^;) 本堂蟇股に見つけた「経典を房つきの組紐で束ねた彫刻」、個人的にはとても好みです。
訪問日:2013年5月23日
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます