「伊予竹に土佐紙貼りてあわ(阿波)ぐれば讃岐うちわで至極(四国)涼しい」と歌い継がれる丸亀、全国うちわ生産量の約9割を占め、丸亀市の代表的な地場産業とされる「丸亀うちわ」。
丸亀市港町の海を臨む一角、1995年に市によって開設され、香川県うちわ協同組合連合会運営による「うちわの港ミュージアム」があります。
「慶長5年(1600)、丸亀の旅僧が九州で一宿のお礼にうちわの製法を伝授したのが、熊本来民うちわの始まりと言われています。このため、「丸亀うちわ」の技術は江戸時代初期までに確立していたと考えられています。寛永10年(1633)になると、金毘羅参りのお土産として天狗の羽団扇にちなむ朱色に丸金印の『渋うちわ(男竹丸柄うちわ)』作りを考案。その後、丸亀藩が藩士の内職にうちわ作りを奨励するなど、代表的なうちわ産地の基盤を築くことになりました。」丸亀うちわHPより
天明年間(1781~1789)、下級武士の内職としてうちわ作りを奨励した丸亀藩江戸詰大目付『瀬山登(せやまのぼる)』。丸亀港の一画を占める「新堀湛甫(しんぼりたんぽ)」には、金比羅灯篭と並んで彼の坐像が建立されています。
時代と共に団扇の形状は「男竹丸柄」から「女竹丸柄」のうちわへと移り、明治時代には「男竹平柄うちわ」の製造が盛んになり、現在の丸亀うちわの主流を占めるまでになります。と・・・このあたりの内容は受け売りですが😅、「うちわミュージアム」では、時代と共に移り変わったうちわの実物を見ることもできます。
ところで「うちわ」と言えば、最も重要な部分が竹で作る骨組み。何とこの「竹骨の廻廊」!。天井から壁一面に張り巡らされた独特の透け感、竹と言う自然素材だからこその視覚的な優しさは、単にお洒落とかではなく、日本の文化に繋がる美意識を改めて思い起こさせます。
そしてミュージアムでは実際に竹を削って骨を作る職人さんの凄技を間近に見ることができるのです。上は2011年、下は2017年の訪問時の画像ですが、何度見ても見飽きません。
最後は2017年の訪問で見つけた、香川県うちわ協同組合連合会公認キャラクター『瑠々風(るるか)』。丸亀うちわが誕生したころから丸亀うちわを見守っている「うちわの精」で、魔法の大うちわにのって丸亀の町を飛び回っているそうです。
でも個人的にはこっちの八の字髭の猫さんの方が・・😅
訪問日:2011年6月16日&2017年8月10日
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