心の章
ココロⅠ「品質に」
人間という生き物には どうやら
幾つもの”気”というものが有って
その総称体を「心」と表現している
或いは
その総ての気を収納する入れ物を”ココロ”という
そこで 問題の一つは
その一様ならぬココロの収容力にあるのかも知れない
慈悲や堪忍で伸縮する その
それぞれの持ち物の弾力性能に因るのかも知れない
人間の相貌で 或いは人面を被って
人畜以下に振舞う輩も
日常の平穏に少なからず紛れている
”kokoro”には規範が無いのだ
故に それは
ひとり一人のイノチの品質の貧富に委ねられる
柔らかなイノチの 最初の
それぞれの邂逅の運不運にも左右されている
*
ココロⅡ「空に」
けれど 運不運も
幸不幸も”空”から始まる
その一歩には些かの疑いもない
「空」を手に入れること
その事の悟りに
僕は二万日もの 膨大な日時を要して
まだ 曖昧の域に居る
何という俗人
何という凡庸よ
生まれたての赤子のように
唯「kuu」に戻ればいい
有る限りの知恵と経験と工夫で
あらゆる関係からfreedomになるのだ
ただsoraに漂う 一塊の
純白の雲のように
八苦の濁りない
澄んだ蒼の一片に
*
ココロⅢ「心が」
夜の暗がりと沈黙も
もしかしたら
何かを吹き込んでくれるかも知れぬと
ボールペンとmemo用紙を準備して
暫く瞑想してみたけれど
ココロが動かないのだ
一日の垢に塗れて
フリーダムになれないと
kokoroが言う
だから
夜の闇は創造じゃなくて
禊にこそ相応しいのだと
僕の心が答える
*
2017 06/29 05:06 万甫