明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1195)『原発からの命の守り方』への反応と拡散のためのお願い

2015年12月22日 17時00分00秒 | 「原発からの命の守り方」発売中です!

守田です。(20151222 17:00)

11月4日に発売された『原発からの命の守り方』、お陰さまでとてもよく売れています。
一カ月半あまりが経って、いろいろな反応が出てきました。
まずご報告したいのは日本図書館協会の選定図書に指定されたことです。
年刊6万点は出ると言われている新書の中から選ばれるのだそうで、およそ16%が該当し、全国の図書館に推薦が送られるとのことです。とても光栄です。

論評や書評も出てきています。
まずは毎日新聞鳥取支局で知人の太田裕之記者が短いスペースながらも素敵な紹介を書いてくれました。

 直言曲言 京都在住の知人でフリーライター、守田敏也さんが・・・
 毎日新聞2015年12月6日 鳥取版
 http://mainichi.jp/articles/20151206/ddl/k31/070/353000c

 京都在住の知人でフリーライター、守田敏也さんが新著「原発からの命の守り方」(海象社、1490円)を出版した。東京電力福島第1原発の事故以降、被ばくの問題と対処法を研究し、「明日に向けて」と題したブログや全国各地での講演で発信し続けている▼副題は「いまそこにある危険とどう向き合うか」。次々に進められる再稼働では完全な安全性が保証されたわけではなく、重大事故が起きた場合の避難計画も実効性は不明。停止中の原発でも冷却し続けなければならない使用済み燃料棒によるリスクは常にある▼福島の事故で多くの人を被ばくさせた後も原発への固執を続ける国に「もはや命を預けていてはならない」と守田さんは指摘する。「私たち自身で守る力をより強くする」「(もともと)無理な避難計画作りを求められてきた自治体の方たちにも読んでいただきたい」。原発に隣接する鳥取県の人たちにも参考になると思う。【太田裕之】

個人・団体のブログでは東日本震災避難者の会の「サンドリ文庫」、「SAVE LIFE action」への佐藤光夫さんの投稿、滋賀県東近江市の「でこ姉妹舎・アートにどぼん」でも取り上げて下さいました。
大阪府高槻市,茨木市,島本町などで活動している「星の対話プロジェクト」(災害避難者の人権ネットワーク)、また「脱原発の日ブログ」でも触れていただいています。それぞれのみなさまに感謝しつつ、リンク先をご紹介します。

 東日本大震災避難者の会 サンドリ文庫
 http://linkis.com/WOaLR

 SAVE LIFE action 佐藤光夫さんの投稿
 http://save-life-action.org/10-21-2015.htm

 でこ姉妹舎 アートにどぼん
 http://dekosimaisha.shiga-saku.net/e1205419.html

 星の対話プロジェクト(災害避難者の人権ネットワーク)
 http://starsdialog.blog.jp/archives/45831461.html

 脱原発の日ブログ
 http://ameblo.jp/datsugenpatsu1208/entry-12086093487.html


アマゾンのカスタマーレビューでも取り上げられました。
特にご紹介したいのは、知人でもある「哲郎さん」の書評です。
哲郎さんは200以上の書籍に関する説得力のあるレビューを掲載していて、アマゾントップ1000レビュアーに選ばれている方です。

*****

原発防災のリアリティを解き明かす伝道書
投稿者  哲郎  トップ1000レビュアー 投稿日 2015/12/21

著者はすでに岩波ブックレット『内部被曝』で、一般にはなじみがなかった(そして原子力ムラからはその恐ろしさを隠ぺいされていた)原発放射能による人体へのダメージを人々に分かりやすく伝えている。
社会科学を基礎とした人間と社会への洞察を背景に、福島第1原発事故のあり得た災害規模、災害から避難するとはどういうことか、為政者はどういう情報操作を行うか、そして改めてアルファ線・ベータ線が人体にどういう作用を及ぼすかなどを、透視画のように明晰に解説してくれる。
兵庫県篠山市の原子力災害対策検討委員会で有識者として活動した経験から、人が陥りやすい心理的バイアス、それを克服する防災訓練などの有効性などを、あたかもそばで見ているような臨場感を感じさせる解説をしてくれる。
困難の中にある福島のに人びとへの同情、再稼働を始めた原子力ムラの政府と事業者への憤り、肥田俊太郎医師からの聞き取りなど、暖かさと知性を感じさせる筆致に、快い共感を覚えた。
評者がとくに勉強になったところを以下に挙げる。
-福島第1から放射能が飛散した範囲が250kmを超えており、様々な僥倖に助けられることがなかったら、東京圏も居住不能になった可能性があること。
-各原発地元自治体が過酷事故時の避難計画立案を求められているが、すべての人が避難できる計画が立てられないこと。
-避難行動について、津波や洪水からの避難の歴史から、行政が号令をかけるのではなくて個人ひとりひとりが自分で身を守るという行動をとる以外に方法がないこと。
-官庁の発する原発避難指示はどうしても手遅れで、かつ、範囲が過小になること。
-被ばくによる体内のダメージは、エネルギーだけでは表現できないこと。
-ICRPの基準は人柱を前提にして原発推進を行うためのALARA原則によること。
-安定ヨウ素剤はすぐのむこと。副作用は実質微少であること。
-行政が行う防災訓練は十分に効果があること。
きわめて実践的な指針が示されており、原発地元の人々や防災担当の方々にとって過不足ない教科書だと思う。


もう一つは遠藤忠様の投稿です。内容紹介というより本書を読んで思われたことの紹介となっています。

原発被害について
投稿者  遠藤忠   投稿日 2015/12/18

原発事故で懸念されるのは、被害補償である。日本の原発でチェルノブイリ級の事故が起こった場合、その損害額は数百兆円に昇るとみられているが、現行制度では、電力会社には千二百億円の保険加入義務しかない。実際、福島事故では今もなお多くの避難民の方が十分な補償を受けられず苦しんでいる。
そこで、再稼働の条件として、稼働する原発に対し電力会社の全社員及びその家族が各人数億円規模の保証を締結することを提案したい。
一見厳しい条件のようだが、再稼働について国民の理解を得られる自信があるなら、家族を説得することなど朝飯前であろう。(私が家族の立場なら即絶縁するが)
もちろん、首相や関係閣僚及びその家族・秘書の方々にも原発保証に加わっていただきたい。その位のリスクを背負った上で再稼働を決めるのが、真の覚悟ある決断である。

*****

こうしてとりあげていただけるのはとてもありがたいです。
出版を祝う会に寄せていただいた本当に温かいみなさんの思いやこうした評価にお答えし、さらに頑張って活動をレベルアップしていきたいと思いますが、そのために本書をもっと大きく広げたいと思っています。
何よりそのことで、原発からの命を守るすべを大きく広げていきたい。同時にその中でまた原発とは何か、なぜ、どこがどのように危険なのかというリアルな討論を広げていきたいです。
しかもそれを国内にとどまることなく世界に広げていきたいと思います。核の恐怖から解き放たれていくのは全世界の民衆の共通の課題だからです。

そのためにぜひお願いしたいことがあります。
1、本書をぜひお読み下さい。
2、読んだら知人にご紹介ください。できれば感想も伝えてください。
3、周りの方と学習会などでお役立てください。
4、可能な方は感想を文字にしてお寄せ下さい。できるところに投稿してください。
5、お近くの図書館に本書をリクエストしてください。

これらの情報をお寄せいただけたらぜひフィードバックさせていただきます。
本書の最終章で触れた兵庫県篠山市では来年1月末から安定ヨウ素剤の事前配布を始めます。話題になると思いますので、ぜひ篠山市のこの行動ともタイアップしつつ本書を広げていきたいです。
心の底からご協力をお願いします!

*****

なお出版元の海象社さんによる本書の紹介と購入案内が記されたページもしめしておきます。
DE かいぞう 58号
http://www.kaizosha.co.jp/HTML/DEKaizo58.html

コメント
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