守田です(20230223 10:30)
● 岡山高教組教研での講演動画をご覧下さい
さて岡山県内の初日、1月29日に岡山高教組の教研集会に招いていただき、「核の問題から解き明かすウクライナの今、世界の今、私たちの今」というタイトルでお話ししました。
動画を公開しますので、ぜひご覧下さい。
● ウクライナの歴史を知ろう
まず僕がお話したのは、ウクライナの歴史です。
中世の一時期、ウクライナはポーランドでした。ポーランドは中世にヨーロッパ最強の大国でした。
その大きな理由は、そのころのポーランドがヨーロッパの中で最もユダヤ人に対して寛大だったため、多くのユダヤ人がポーランドに集まってきたことでした。
ユダヤ人たちはいまのベラルーシからウクライナに多数居住しました。
そのポーランドは二度も分割されて消滅しているのですが、二度目の分割はヒットラーのナチスドイツと、スターリンのソ連によって行われました。
ナチスドイツはその後、「独ソ不可侵条約」を破って、ソ連領に侵攻、たちまち占領したのがベラルーシからウクライナに及ぶ地域、たちまちたくさんのユダヤ人がナチスにつかまり、絶滅収容所に送られて虐殺されました。
その後、ソ連赤軍が猛烈な反撃を開始。ベラルーシとウクライナを南北に走るドニエプル川を挟んで、大量の死者の出る戦闘が行われ、最終的にナチスドイツは駆逐され、ソ連が領土を回復しました。
それからおよそ40年、ひなびた田舎ではあるものの落ち着いた平和が取り戻された時に起こったのが、チェルノブイリ原発事故でした。
ウクライナのことを知るためには、この悲劇の歴史を知る必要があります。ぜひご注目下さい。
守田講演スライドより 地図はネットから
● ウクライナ戦争とチェルノブイリ原発事故
そしてそのチェルノブイリ原発事故の深刻な影響が、今のウクライナにもとても大きな影響を与えています。
ウクライナの被曝はとても深刻でしたが、そのことについてウクライナ政府は2011年4月に『ウクライナ政府報告書』を発表しました。事故から25年を迎えたことを踏まえて、世界に深刻な被害を公表したのです。
そこにはたくさんの病が被曝によって起こっていることが告発されていました。それまで国際機関が認めてきた被曝による疾病の種類、規模をはるかに上回っていました。
これらを打ち出すことで、ウクライナは世界に助けを求めたのです。しかしウクライナに届いたのは、西側諸国からの猛烈なバッシングでした。誰も被曝に苦しむウクライナを助けようとしませんでした。
これには大きな理由があります。『ウクライナ政府報告書』が福島原発事故と重なったことです。これから東日本で起こることの予言の書のような形になってしまいました。
それだけに国際原子力マフィアは、この報告書を憎悪し、ウクライナ政府や科学者たちを攻撃しました。その末に起こったのが2014年2月のマイダン政変でした。その後、ウクライナは深刻な内戦に突入していきました。
このときこの政変にアメリカが深く関与していたことがさまざまに指摘されていますが、僕が注目しているのは、この政変の2か月後に、国際原子力マフィアの一角である国連科学委員会(UNSCER)が声明を出したこと。
「福島原発事故でいかなる健康被害も生じない」というもので、UNSCERはその後、6月と9月に福島市と郡山市に乗り込んで、「原発事故でがんは増えない」などのシンポジウムを行っています。
この点でウクライナと福島、そして日本は大きくつながっているのです。原発事故の被曝によってです。
ここから考えるべきことを僕は強調してきました。ぜひ動画をご覧下さい。
守田講演スライドから
続く
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