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明日に向けて(2225)「ゼレンスキー疲れ」に思う・・・ウクライナに一刻も早い平和を

2022年07月07日 09時00分00秒 | 明日に向けて(2201~2400)

守田です(20220707 09:00)

ウクライナ戦争に関する考察の続きです。

ウクライナ軍の「劣勢」が伝えられるや「疲れ」「不満」が語られ始めた

このところ、欧米で「ゼレンスキー疲れ」なるものが広がっているのだそうです。ゼレンスキー大統領の「ウクライナに武器を送れ」の連呼に対し「疲れ」が出始めているのだとか。世界でも日本でもウクライナ報道自身が減っているとも指摘されています。
背景にあるのは、ウクライナ東部でのロシア軍の攻勢で、ウクライナ軍が劣勢にまわっていること。
5月17日、マリウポリの製鉄所に立て籠もっていたウクライナ政府軍や、アゾフ連隊2500人余りがロシアに投降したころからの流れなのだそうです。

アメリカのバイデン大統領などは、「ゼレンスキー疲れ」に、こんな不満も重ねました。
「(ロシアのプーチン大統領が)国境を越えるつもりなのは疑う余地がなかったが、ゼレンスキー氏は他の人々と同様、耳を貸そうとしなかった」
(6月10日のロサンゼルスで行われた資金集め会合にて。日経新聞6月11日より)


バイデン大統領の不満を報じる日経新聞 20220611


ウクライナ民衆や戦わされている若者たちの事が見えない

なんだか冷たく、悲しく、嫌な響きをもった言葉だな思います。戦火に巻き込まれ、命を落としているウクライナ民衆、そしていまも戦わされている両国の若者たちの事などが、あまりに見えてこないからです。
バイデン大統領などは、劣勢になるやゼレンスキー大統領に責任を転嫁し始めたようにも見えます。

しかし英米もゼレンスキー政権も、初めからどこかでウクライナが劣勢になることは分かっていたのではないでしょうか。
例えば、これまでにも紹介した、英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)の秋元千明・日本特別代表が、東京新聞の「プーチン氏の筋書きとは違う展開に」という記事(3月8日)で述べたことを見てもそう思います。

秋元氏は、緒戦で各地でロシア軍が撃破されたことを、米英が「情報機関と特殊部隊で編成された複数のチームを秘密裏に現地に派遣」するなどして、ウクライナ軍と十分な準備をしていたからだ自慢げに語りましたが、こうも付け加えていたのです。
「両軍の戦力の差は大きく『ロシアの進軍は想定より遅れているが、戦術的にはウクライナ軍の勝ち目は薄い』。そのためゼレンスキー大統領が降伏や亡命などの選択肢を迫られる可能性がある」。


「ロシアの進軍は想定より遅れているが、戦術的にはウクライナ軍の勝ち目は薄い」と秋元氏 東京新聞の記事より守田が作成


戦争は上級国民が起こし民衆が殺し合いをさせられる

「ゼレンスキー疲れ」という言葉には、英米の側の戦争遂行者たちの中から、「そろそろこの戦争から引こう」・・・とのサインが含まれているのかもしれません。
欧米が武器を送るのを止めれば戦争は終わりますから、ここらで各国が関わって話し合いで停戦を実現して欲しいです。しかし報道では「疲れているけれど援助は継続」とも言われています。私たちが声を上げて戦争を止める必要がある。

そのためにも「ゼレンスキー疲れ」という言葉の、冷たく、悲しく、嫌な響きの中に、実は戦争の本質が垣間見えることも見ておくことが大事なのではないでしょうか?
今、起きている戦争は、ロシア・ウクライナという「国」なるものの争いとして表現されていますが、実は双方の国や背後にいる国の上級国民同士が起こしているものです。しかし現場は民衆が担わされ、民衆同士が殺し合いをさせられています。

当初、英米とゼレンスキー政権の入念な準備の元、各地でロシア軍が撃破されました。欧米は「ロシアは思ったより弱い。頑張れば勝てる」とウクライナや世界の人々を煽り続けました。
しかし「上級国民」たちは「戦術的にはウクライナ軍の勝ち目は薄い」ことなど分かっていたのです。分かっていながら武器を送り続け、今になって「疲れた」と言い出している。それなら初めから武器を送らず、妥結の道を探れば良かったのに。


当初は「ロシアは弱い」という報道ばかり繰り返された デイリー新潮 20220409


上級国民の肩を持たずウクライナに平和を!

僕は当初から「戦争当事者のどちらかに肩入れせず、平和の道を探ろう」と訴えてきましたが、あらためて言いたいのは、どちらの「上級国民」の肩も持たず、民衆同士が殺し合いをさせられることを止めようと言うことです。
戦争を国と国の争いと見てはいけない。戦争は上級国民が自らの利害を貫くため、民衆を動員して行うものです。民衆は憎んでもない相手国民と戦わされます。もちろんさんざん憎しみを煽られ、積極的になってしまう場合もありますが。
大事なのは、それぞれの国の民衆の間で「上級国民の肩を持つな」と声を掛け会うこと。「上級国民に騙されるな」「民衆同士が撃ち合うのはやめよう」とも語りましょう。

だからウクライナでこれ以上、上級国民たちに、戦争を続けさせてはいけません。ますます市民の被害が増えるし、現場の兵士たちも死傷するばかり。殺人の経験を背負い心が傷だらけになる兵士たちも増えるばかりです。
正義だろうがなんだろうが、人を殺すのは苦しみであり、悲しみです。殺人に動員された多くの兵士が、深いトラウマを背負います。そんなこと、もういい加減止めさせたい。
ウクライナに平和を。戦争を進める両国、両サイドの上級国民に批判を!民衆の手で平和を作りだしましょう。

第一次世界大戦のドイツ兵たちの悲しみを描いた映画『西部戦線異常なし』を参考に「国(政府)と民衆」を分けて考えることを説いた守田の講演スライド

#ゼレンスキー疲れ #ウクライナ #ロシア #ゼレンスキー大統領 #英国王立防衛安全保障研究所 #バイデン大統領 #戦争を起こすのは上級国民 #上級国民に騙されるな #民衆同士が撃ち合うのはやめよう

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