守田です(20240728 22:30)
● 三田茂医師講演を動画をご覧下さい
岡山の三田茂医師講演の全文文字起こしの4回目をお届けします。まずは動画をご紹介します。
ここでは56分38秒から1時間14分37秒までを掲載します。
なお今回の部分は、三田さんが『被爆二世・三世健康調査アンケート結果報告書』(京都「被爆二世・三世の会」作成)を手に読み解きを行って下さっていますので、これが手元にあった方が理解しやすいです。以下から入手できます。
『被爆二世・三世健康調査アンケート結果報告書』
ダウンロード申し込みフォーム
https://forms.gle/UdeTXoGjschrT7cN9
冊子版申し込みフォーム
https://forms.gle/24hHZXjvKUbhfTzf9
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三田茂医師講演 「原爆ぶらぶら病」と『能力減退症』=被爆者と『新ヒバクシャ』その類似性、共通性ー被爆・被曝の新しい理解・病悩の解決の可能性 全文文字起こし その4
◯冷え性、風邪にかかりやすくケガがしやすくともに治りにくいなどー続・読み解き『被爆二世三世健康調査アンケート結果報告書』
「6」冷え性、暑がり、多汗症
次、「6」、14ページの真ん中ぐらい。「冷え性、暑がり、多汗症」と書いてある。
実は僕はこれを見てちょっとびっくりしました。「汗をすごくかきやすい」と言うのは『新ヒバクシャ』にもある訴えなのだけれども、こんなにたくさん書いてあるとびっくりですね。だからやっぱり二世の方は、こういう人がすごく多いのだろうなと思った。これはだけど、医学的に判断すると自律神経症状ですね。自律神経の暴走したような症状だと思います。
ホメオスタシスを一定に保ちたいのだけれども、暴走しているから、なんかやけに汗をかいてしまったり、衣服が濡れてしまったりするというような、そういう状態なのではないでしょうか。
アレルギーが本来は異物を排除するという、合目的な働きであるけれども、反応が強すぎて暴走すると、鼻水が止まらなかったり、くしゃみが止まらなかったり、もっと悪くなるとアナフィラキシーか、死んじゃうとこまでいく、暴走する。それと似たような、まあこれは死にはしないでしょうけども、自律神経症状の暴走という点でこれは⑤でしょうね。いろんな工夫が必要だと思う。だから④みたいになにか病名を付けようと思うと、治療には結びつかない。⑤として扱うべきだと思う。
「7」風邪にかかりやすく、治りにくかった
15ページの下から3分の1、「風邪にかかりやすく、治りにくかったこと」。
太字のとこ飛ばして、「風邪は季節の変わり目には必ずかかり、回復に多くの時間がかかる」。この回復には多くの時間がかかるというのは、まあ『能力減退症』的です。とっても『能力減退症』的です。
3行飛ばして「39度から40度の高熱が出る」子どもね。原因の分からない発熱。インフルエンザでもない、風邪がこじれているわけでもない。肺炎でもない。疲れると高熱が出るというのも『能力減退症』の訴えです。
子どもが幼稚園で、小学校で、運動会の練習が3~4日続くと熱が出ちゃう。診察をしてもどこにもその陽性所見がない、ただ熱が出ただけ。「1日休みなさい」と言って休むと、翌日には熱が下がるから行って、運動会の練習をするとまた熱が出る。3日休ませると熱が下がる。だから疲れが熱を呼ぶと言う状態かな。⑤だと思います。
15ページの一番下。
「予防接種で発病」と書いてあるけど、発病ということはないと思うのだけど、発熱とかだるさ、感冒様症状ね、風邪のひどいみたいのが、これを「インフルエンザにかかった」と言う人もいますけれど、そういう症状が出る。
これもみんなに起きることではない。コロナのワクチンもみんなそうですけれども、敏感な、高感度体質の人は、こういうのを、気をつけなくちゃいけない。だから、そういう人たちには特別に気を遣ってあげないと、鈍感な普通の人と同じように扱ってはいけないと言うのが僕の考え方です。⑤。
16ページ6行目。
「幼少時から今でも」と書いてあるけど、「風邪をひくと厄介で」、次の最後、「微熱が1週間以上続く」。微熱にせよ1週間以上続くのを風邪とは言わないですよね、普通はね。だから、風邪としての治りかたではないという点で⑤。これもあとで『能力減退症』のところでは同じような話をします。
「8」風邪の症状が気管支炎や副鼻腔炎につながることがとても多かった
16ページの一番下の「8」。
「風邪の症状が気管支炎や副鼻腔炎につながることがとても多かった」と言うのですけれども、これは気管支炎とか、副鼻腔炎、副鼻腔炎というのは蓄膿症だけれど、こういう診断がついているわけです。ですから、きっちり治療をするというのが第一条件で、では風邪を引くとみんなが気管支炎になって、みんなが副鼻腔炎になるのかというとそうではない。これは311の前でも、そういう子たちはいる。年がら年中鼻たらしの子って言うのは、僕は30%ぐらいはいるのではないかと思う。被爆と全然関係ない話ですよ、これはね、そもそも。
小学校に上がって10歳、11歳になるとみんな鼻づまりが取れてくる。中には大人まで引きずってしまう人もいるけれども、だから、小さい時の鼻水のある子というのは、「ちゃんと小さい時に診てあげないと、大きくなってからも鼻水が残るよ」と言って治療していますけれども。まあ、そういう体質的なものがべースにあって、気管支炎・副鼻腔炎になりやすい。ただだから④なのですけど、ただ被曝が関係していると、「能力減退症」が非常にこういう状態を引き起こしますから、だから④と⑤の合わせ技で治療していくと言うのが大事なことかなと思います。
17ページ下4分の1ぐらいのとこかな。
たびたびたくさんの鼻血が出たというところです。2行飛ばして、後ろの方で、「外に出かけられない時もあった」。これおかしいですよね。
その次の行、「中学時代、毎朝1~2時間程、洗面器が真っ赤になるほど(鼻血が)出た」と。これもおかしいですよね。鼻血が出ることは、小さいことかもしれないけれど、これはおかしいと思う。
これは副鼻腔炎が半分ぐらい。④。慢性副鼻腔炎の人って鼻血がすごく出やすいので、これも半分ぐらい。副鼻腔炎として鼻血が出た。「鼻血ぐらい大丈夫だよ」で終わらせるのではなくて、「鼻血が出た、副鼻腔炎があるのだったらちゃんと治療したほうがいいよ」。ここはちょっと別れると思う。
それから、自律神経由来の敏感さ、過敏な状態というのが半分ぐらい。だから、これもこういう理解があれば④+⑤でかなり改善する状態ではないかと思います。
「9」めまいや吐き気、頭痛
大丈夫ですか?次の18ぺージ。これでも相当絞ったのですけれども。やりたいようにやると5時間ぐらいかかってしまうので。だから、「私の言ったことが聞いてもらえない」と言う人、すいません。代表的なものだけやっています。
18ページの「9」。「めまいや吐き気、頭痛」。
ここはちょっと難しくて面白いとこですね。
5行目、「ほんの一瞬視界が歪む」。それから真ん中よりちょっと下のところ。
「時々」というやつ。過労気味の下ね。「時々見えるもの全てが白っぽくなることがあり、しばらくすると元に戻る」。なんか変わった症状ですよね。
下から3行目、「仕事中に突然頭の中が真っ白になり、何をしているのかと不思議に思った」、ね。変わった症状と思うけれど。
23ぺージを見てください。
上から3分の1のぐらいのところ、「いまでも」というやつね。「いまでもよくぶつかったり手に何かを持ったら落としたりする。機能がずれている感じ。距離感を間違える」。
実はこれ311の後によく子どもたちであった訴えなのです。同じようなことを言っていました。
それから、27ページの下から7行目かな。「小学校の時の」ってやつ。
「小学校の時の目のチカチカ」。これは僕もこれだけ聞くと、もしかしたら片頭痛ですね。片頭痛と言うのは、頭が痛いって言う事ではなくて、医学的な片頭痛です。「マイグレイン」という病気ですけど、片頭痛のアウラ=前兆としての閃輝暗点(せんきあんてん)、閃輝暗点というのは視野がキラキラして、段々こう視野が狭まって来て、パッと開けると頭痛が2~3日続くというのが典型的なのだけれども、そうではない。
閃輝暗点にはいろいろなパターンがあるということが、最近になって研究がどんどん進んでいますから、そういう④的な対応があり得るのではないかと思う。④と言いきっているわけではないですよ。そういう対応があり得ると言うことです。
それから、42ページのちょうど上から3行目。
「目をつむると光が走る。星が目の周りに出たり、光が走ったりする」。これもちょっと閃輝暗点的なところもありますが、ちょっとあとで続きを言います。
それから、47ぺージの55番さん。下から2行目。
「運転中に後ろを振り向いたとき、目の前が黒くなり意識がなくって事故を起こして、病院で意識が戻った」。
このへんが一連の同じようなことなのではないかなと、僕は感じるのですよね。その、感じるというのは、医師としてどうやってこれに診断を付けて、どうやって治療していこうかなと言った時に、このへんは同じように感じる。
まず、その一時的な低血圧のような状態というのが、この人は起きてないのだろうか。不整脈をはじめとしてね。脳の問題と言うよりは不整脈やなんかで一時的な低血圧が起きるので、それはどうだろうかという事は診ないといけない。
それから、やっぱり一番ふっとこれを見て疑うのは、けいれん性疾患ですね。けいれん性疾患って、てんかんの事です。てんかんと言うと、白目をむいてのけぞって、がくがくがくがくして、泡を吹いて倒れるというね。これがてんかんの中でごく一部の「グランマール」と言う「大発作」という症状の事で、てんかんってもっといろいろなことがあります。突然、一点を見つめて動かない。体がパタって動かなくなって、何秒かして続きが動き始めるとか、それから老人などで、「ちょっとボケて来たんじゃない?」ということが、実はてんかん発作だったりする事もあると言われている。
僕はこういうてんかんの専門家ではないので、これ以上深追いしないけれども、こういう事と言うのは、さっき言った不整脈をはじめとする低血圧状態、それから、てんかん、けいれん性疾患、このへんの④としての調べをちゃんとした上で、残った部分をどう考えるかと持っていくべきなのかなと思いました。
「10」ケガをしやすく治りにくかった
それから19ページの「10」。
「ケガをしやすく治りにくかった」。6行飛ばして、「怪我をすると膿んでしまう。化膿してなかなか治らない。かさぶたができてもその下がグチュグチュ」。
下から4分の1ぐらいのとこですけど、この「グチュグチュしている」と言うのと「傷口の皮膚の再生力が衰えている」。一言で言ってこういう事ですね。傷口の皮膚の再生力が衰えている。もう『能力減退症』の訴えそのもの。みんなこう言っている。
赤ちゃんがおむつかぶれになりました、東京で。「もう4週間治療している、あっちこっちに行っている、治療を代えているけど治りません」と言って岡山に来た。せっかく岡山に来たのだから僕は「なにもしなくても治るよ」と。「もう何もしないで様子見て」と言ったらば、3日経って来た時にきれいに治っている。
汚染地から非汚染地に移動すると、皮膚の治癒力が良くなります。「カサブタができても」と言うのはね、やっぱり経過と言うのがあるわけですね。ケガをして欠損するわけでしょう。皮膚、それから皮下組織が断裂して欠損する。ペタっと張り付いて終わるわけではないですよね。やっぱりそこには炎症と言うのが必要です。熱をもって、赤くなって腫れて、痛みが出て、そうやって治っていくのですよね。そういう経過がないとやっぱり治れない。
だからそういう経過が、次から次に起きてくれればいいのだけれども、次の段階に移れないといつまでたっても治らない。そういう事です。⑤。これは良くできると思う、こういうのは。傷の治りが良くなったというのは『能力減退症』を治療した人たちの大きな喜びですよね。(1時間9分8秒まで)
「11」胃腸が弱く、深刻な下痢になるなど、トラブルが多かったこと
次の20ページ「11」。
「胃腸が弱い方が多いのも特徴」。「突然下痢が始まり、トイレが間に合わずに失禁してしまった」と書いてあるね。下から4分の1か3分の1ぐらい、「小さい頃から」というとこ。分かります?「小さい頃から胃腸が弱く、下痢と腹痛に悩まされ、長時間の仕事は建物内(すぐトイレに行ける)、長時間移動はトイレ付き車両(東海道線)などが望ましい。出張や旅行は不安であった」。
これはちょっと聞くと「過敏性腸症候群」ですよね、④。純粋に④なのか⑤がらみの④なのか、ここは問題だと思うけれども。
過敏性腸症候群というのも、一言で言うけれどもいろんな病態があると思いますから、「過敏性腸症候群とはこの薬ね」という、そういう単純な話ではないですね。いろいろ心理的なサポートが必要だったり、いろんな助言が必要なこともある。体に良いと思って、お腹に良いと思って繊維質ばかり摂って治らない人もたくさんいる。変な売ってる「何とかドリンク」を飲んで治らない人も沢山いる。だからそういうところからやってあげると、こういうのはね、コントロールできると思う。ちゃんと電車に乗れる。会社にも行けると思います。
その次のページの3分の1ぐらいのところ。「こんな経験をお持ちの方もおられます」というところですけれど。
「小学校の高学年の頃から急性の下痢があらわれるようになって、原因は両親の口喧嘩である」と。まあこのストレスである、ここまでは過敏性腸症候群でいいんじゃないかと思う。④でね。
次の行。「父親の体調が優れず、農作業を休みがち。母親がヒステリックになり金切り声で詰め寄ることがこの人のストレスなんだ」と言うことを書いてあると思います。
ここの下にも、お父さんの体調が優れないのは、「ぶらぶら病」なのではと書いてある。
僕もそうだと思いますけれども、お母さんがヒステリックになるのも、『能力減退症』なのではないかと思う。お父さんは働けないのですよ。お母さんは堪えられないのですよ、それが。だから、なんとか受け入れてあげるだけの余裕が、お母さんにないのだと思う。それで、もうしょっちゅう言い争いをすると、子どもがこういうふうになってしまう。だから、この話もちゃんと⑤としての治療をしたうえで、④に行けば、これは治せるのではないかと読みました。
「12」歯のトラブルを抱えてきたこと
21ページの下から何行目か。
「12」、「歯のトラブル」というのが、僕は歯科医ではないので、下手なことは言いません。ただ、これについて実は僕の親友が東京にいるけど、そこはちょっと問題ですけど、その歯科医の友だちにこれを見せました。それで彼が、大学の教授クラスの人に聞いてくれましたけど、僕もだいたい似たような感じなのだけど、「起きてることは不思議じゃないね」と言います。不思議じゃないねという事は大体④、病名なりなんなり理由が付けられると言ってる。ただ、「その頻度がどうなのか、背景がどうなのかについての事が書いてないのでよく分からない」というね。
多分その歯科的な診断が付くのではないかと思うのですよ、名前は。だから対応もそれなりにあると思うけど、そういう事が起きてしまう原因が、もっと深いところに何かあって、もしかしたら⑤的なものもあるかもしれないです。
彼は「歯磨きの習慣がどうだったのかとか、タバコを吸うのかとか、そういうことぐらい聞かないといけないね」というから、まあ、今度アンケートをやる時にはね、彼の意見もちょっと聞いてみたいと思います。
「13」目が弱く極端にまぶしさを感じるなど、トラブルを抱えてきた
22ページの「13」、「目が弱く極端にまぶしさを感じるなど、トラブルを抱えてきた」。
次の行の後ろの方。「誰も気にしてないのにまぶしい」。次の行の後ろの方、「光が目に飛び込んでくる」、1行飛ばして、「太陽の光がまぶしく感じる」。その次の行、「目が開けられないくらい辛い、サングラスを使っている」というね。
それでこれは④かなと思います。HSPと言うの。HSPって、あとでもう少し触れますが、Highly Sensitive Personと言うのですけれども、とっても敏感な人たちが、人口の10数%いると言われています。
残念ながら医学ではそういう事は相手にしていない。Highly Sensitive Person というのは心理学の分類なのですね。だから、医者に言ってもなかなか分かってもらえないけど、こういう敏感過ぎて、音に敏感、それから視覚が敏感、肌触りが敏感、においに敏感、味に敏感、感じとっちゃうから、相手が何を考えているかも感じられちゃう。第六感的な霊感みたいなものが強い人たちの事をHighly Sensitive Person って言いますけれど、そういう考えを入れていけば、こういうのには対応しやすいかなというように思いました。(1時間14分37秒まで) 続く
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