昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

X’mas version 【 ふたりだけのイヴ 】 地獄編 (三)

2009-12-28 18:14:09 | 小説
「どうしたの?少しセンチメンタルになったのかな、アコらしくないぞ。」

「フフフ、そうよ。ちよっとおセンチになっちゃった。
だって、シンちゃんが優しすぎるから。
だけど、来年は高校三年生。そして、大学入試・・・」

シン公の沈んだ顔に気づいたアコは、明るい話題に切り替えようとする。

けれども、ウェイトレスに邪魔された。珈琲とケーキが並べられる。

そのウェイトレスの目に嫉妬に似た強い光を感じ、アコは小さくなってしまう。

シン公はウェイトレスにニッコリ笑いかけ、短く“サンキュー!”

アコの知らないシン公がいる。シン公が、遠くに感じられる。

アコは追いかけるように話しかけた。

「よく来るのね、ココ。」

「うん、そうだな。日曜日毎かな。・・・どうして?」

珈琲に砂糖を入れながら、シン公が言う。

アコは、スプーンでカップをかきまわしながら、
「あのウェイトレスさんとは、仲がいいの?」と、聞く。

「えっ?」と、シン公。そして、さも面倒臭そうに。

「あぁ、ピーナツの量を少し増やしてくれ、、、」

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