昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

[お取り扱い注意!] 七

2013-07-28 13:20:43 | 小説
(七)

「ご主人さま、申し訳ありません。
嫌な思いをさせましたでしようか。

服を着るというプログラムがありませんので。
苦情申し立てをなさいますか。
連絡先は…」

「いや、いい。」

どうにも、人形であることを忘れてしまう。
どんな目的で作られたものなのか、うすうす察しがついてきたが、そうは考えたくない。

「さよこちゃんだっけ、一つ聞きたいことがある。
分からないなら、答えなくて良い。」

「さよこの分かることでしら、どうぞ。」

「君を頼んだ覚えがないんだけど、誰かからの贈り物なのかな。」

「そんな…淋しいです、さよこは。
お忘れになられたのですか、もう。


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