淋しいよるが訪れて
心にきりがかかる時
いつも思う あのひとを
初めてであった なつの午後
あの日から
心にすみついた人
何も云えずにいたけれど
あなたを想うだけで
倖せだった
ことばを交わすこともできずに
ただ見つめあうだけの
いちねんでした
であったときと
おなじなつの日に
あの人から 封ひとつ
“好きよ”
ひと言 ありました
夏がすぎ
このはが散るさびしい
秋の黄昏に
とおい町に行った
と
風の
たよりに聞きました
ほんの少しのゆうきが持てずに
一歩をふみ出せなかった
ぼく
年上のあなた ……
大人のあなた ……
子どものぼく
ほろにがい初恋でした
=背景と解説=
文芸部に所属していた定時制高校時代のことです。
一年生のわたし、そして四年生の先輩。(定時制高校=夜間の勉学で4年間通います)
平安美人を思わせる、清楚な女性でした。
でも、とても芯の強い女性でした。
わたしが書き上げた作品(地獄への招待=後に、愛・地獄変として書き直しました)を読まれて、悲しげな目を見せながら「あなたには、夢がないのね」とのひと言。
グサリと来つつも、なぜか誇らしくも思う自分がいました。
その方は、高校卒業後すぐに嫁がれました。
そうそう。
わたしの初恋は、ようちえんのせんせい? 小学校の先生? 中学のどうきゅうせい?
初デートの女子高生? 初キスのあいて? ○○○……
ほんとのところ、いつだったか分かんないんです。
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