三部構成の、大長編です。
どうぞ気長に、読んでください。
実はこれ、まだ執筆中なんです。
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七
小夜子の酌を制して、武蔵が言った。
そんな武蔵の話に、小夜子の心が動いた。
武蔵との同居とは、考えもしていなかった小夜子だ。
「メイドさん?うーん……社長、本気なの?
通訳として会社に入れてくれるの?
愛人は、ダメだよ。
だけど、正三さんが、どう思うかなぁ……」
「彼には、内緒にしておけばいいじゃないか。
何なら親戚とでも、しておくか?
彼を家に呼ぶ時には、俺は外泊してもいいぞ!」
「えぇっ!そんなこと、しないよ。社長の助平!」
「何が助平なものか。
男と女が惚れ合ってだな、お互いを求めるのは、自然なことじゃないか。
どうだ、もう接吻ぐらいはしたのか?
おっ、頬を赤らめたところを見ると、したな?
どうだった、うん? 上手だったか、彼は。
俺は、上手いぞ。何せ、アメリカさん相手の本場仕込みだから。
伝授してやろうか、小夜子。
彼が悦ぶような、甘ーい接吻を。」
酔いの勢いも手伝って、武蔵は小夜子をからかい続けた。
耳たぶまで真っ赤にした小夜子は、思わず俯いた。
武蔵の、冗談とも本気とも分からぬ言葉に、胸が昂ぶった。
あの日の、正三との初接吻を思い出した。
軽く触れただけのそれだったが、胸がキュン! と痛んだ。
“はしたない女だと、思われたかしら?
……あれから、正三さんとは逢っていなんだわ。”
八
俯いたままひと言も声を発しない小夜子を、武蔵は穏やかな気持ちで見ていた。
いつもの武蔵ならば、このまま一気に押し倒してしまうのだが、
どうしても小夜子に対してはそれが出来なかった。
“本気で惚れたみたいだな、俺も。
それにしても、なんでこんな小娘に・・。”
こんな思いは、武蔵にしても初めての経験だった。
小夜子の笑顔が、たまらなく可愛く感じられた。
日一日と洗練されていく小夜子を見ることが、武蔵にとって無上の悦びになっていた。
しかし不思議なことに、一度として小夜子を抱きたいと思うことがなかった。
成熟した女としての魅力が、未だ醸し出されていないのも一因ではあった。
少女としか、武蔵には見えなかった。
“投資のようなものさ。”
いつか花開くであろう日を、武蔵は楽しみにしていた。
どうぞ気長に、読んでください。
実はこれ、まだ執筆中なんです。
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七
小夜子の酌を制して、武蔵が言った。
そんな武蔵の話に、小夜子の心が動いた。
武蔵との同居とは、考えもしていなかった小夜子だ。
「メイドさん?うーん……社長、本気なの?
通訳として会社に入れてくれるの?
愛人は、ダメだよ。
だけど、正三さんが、どう思うかなぁ……」
「彼には、内緒にしておけばいいじゃないか。
何なら親戚とでも、しておくか?
彼を家に呼ぶ時には、俺は外泊してもいいぞ!」
「えぇっ!そんなこと、しないよ。社長の助平!」
「何が助平なものか。
男と女が惚れ合ってだな、お互いを求めるのは、自然なことじゃないか。
どうだ、もう接吻ぐらいはしたのか?
おっ、頬を赤らめたところを見ると、したな?
どうだった、うん? 上手だったか、彼は。
俺は、上手いぞ。何せ、アメリカさん相手の本場仕込みだから。
伝授してやろうか、小夜子。
彼が悦ぶような、甘ーい接吻を。」
酔いの勢いも手伝って、武蔵は小夜子をからかい続けた。
耳たぶまで真っ赤にした小夜子は、思わず俯いた。
武蔵の、冗談とも本気とも分からぬ言葉に、胸が昂ぶった。
あの日の、正三との初接吻を思い出した。
軽く触れただけのそれだったが、胸がキュン! と痛んだ。
“はしたない女だと、思われたかしら?
……あれから、正三さんとは逢っていなんだわ。”
八
俯いたままひと言も声を発しない小夜子を、武蔵は穏やかな気持ちで見ていた。
いつもの武蔵ならば、このまま一気に押し倒してしまうのだが、
どうしても小夜子に対してはそれが出来なかった。
“本気で惚れたみたいだな、俺も。
それにしても、なんでこんな小娘に・・。”
こんな思いは、武蔵にしても初めての経験だった。
小夜子の笑顔が、たまらなく可愛く感じられた。
日一日と洗練されていく小夜子を見ることが、武蔵にとって無上の悦びになっていた。
しかし不思議なことに、一度として小夜子を抱きたいと思うことがなかった。
成熟した女としての魅力が、未だ醸し出されていないのも一因ではあった。
少女としか、武蔵には見えなかった。
“投資のようなものさ。”
いつか花開くであろう日を、武蔵は楽しみにしていた。
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