昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

[ライフ!] ボク、みつけたよ! (十八)[Blue Note]ご存じですか? 

2025-01-02 08:00:00 | 物語り

[Blue Note]ご存じですか? レコードのレーベルなんですけどね。
われわれ団塊世代にとっては、[Blue Note]という文字は絶大なることばなんです。
いや、Jazzファンにとっては、かな?
高校時代なんですが、もう寄るとさわるとその話ばかり(というのは大げさですかね)、けっこう花が咲いたもんですわ。
マイルスだモンクだ、いやアートブレイキーだ、俺はコールマンだと。
要するに、熱病のごとくにのめり込んだジャズ音楽の聖地みたいなもんだったわけです。
案外のところ、いちぶのマニアックな会話だったかもしれませんが。

 正直なところ、わたし、とりたててジャズが好きだということはありません。
どころか「カッコ付けてんじねえよ!」という感じでした。
ですので、ここを予約したのはミーハー的感覚で、本場のジャズを本場である[Blue Note]でのライブ演奏を聴きたかった、その生の現場の空気を吸いたかった、そういうことなんです。
音楽の、クワズギライといったところでしょうか。

 たとえが悪いかもしれませんが、ホルモンを喰らったときのことです。
若いころに友人に誘われてはじめて、ホルモン料理を喰らいました。
食べましたなんて上品過ぎて使えません。
そもそもが、ホルモンなんて、見た目がグロテスクでしょ? 
ナマコ然りで、見た目の悪いものには箸がうごかないんです、わたし。
それにぐにゅぐにゅといった食感はまるでだめなんです。

――・――・――
(十八)の二

 そうそう、定時制高校に通っていたおりに、大はまぐりをご馳走になったことがあります。
国立大学の病理学教室でアルバイトをしていた時のことです。
助教授(いまは准教授というんだそうですね)のお手伝いで、薬の動物実験でマウスの世話をしたんです。
臨床試験や治験の前段階なんですがね。

それが無事に終了したということで、製薬会社のお礼としての食事会に招待してもらえたということです。
その料理のなかに、大ハマグリがありました。
初体験でした。貝類では味噌汁のしじみぐらいしか食したことがありません。
で、口にいれて噛んだとたんに、そのグニュグニュ感と汁が口のなかに溢れたとたんに、モーレツな吐き気に襲われてトイレにかけこみました。
みっともない話です。

 ホルモンに戻ります。嫌がるわたしに「ロースもあるから」と強引に引っぱりこむんです。
むろん、ロースをパクつきましたよ。うまかったです、ホントに。
さあこれからです。「ひと口だけでも食べないか」。
しつこく言うんです。
まあねえ、なんども言われるものですから「トイレに駆けこむぞ」と宣告してから、小さなカケラを口に入れました。
1cmぐらいの、ほんとに小っちゃなカケラをです。
そんな小さな物体ですから、噛むなんてこともなく喉をスルリですわ。



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