(四)
「そうね、それもありでしたわね。
幸恵さんの仰るとおり、もう少し待ってさしあげれば良かったのかも。
でもね、それは今だからこそ言えることなのじゃないかしら。
あの時『いついつまで、待っていてください』とご連絡があれば、あたくしも待っていたかも。
でも、お分かりになる? あの頃の、あたくしの心細い気持ちが。
一人なの、たった一人なの。
誰を頼ることも出来ない地で、たった一人だったの。
そんな時手を差し伸べてくれたのが、タケゾーだったの。
でもね、待ったのよ。
タケゾーの思いは知っていました。
でもそれを押し止めて、タケゾーには『約束した人がいます』
と宣言して、足長おじさんの役目を押し付けていたの。
お嬢さま育ちの幸恵さんにはお分かりにならないでしょうね」
少々時間が気になり始めた小夜子だが、思いつめた幸恵を見ていると、
むげな態度も取りづらくなっていた。
「そうね、それもありでしたわね。
幸恵さんの仰るとおり、もう少し待ってさしあげれば良かったのかも。
でもね、それは今だからこそ言えることなのじゃないかしら。
あの時『いついつまで、待っていてください』とご連絡があれば、あたくしも待っていたかも。
でも、お分かりになる? あの頃の、あたくしの心細い気持ちが。
一人なの、たった一人なの。
誰を頼ることも出来ない地で、たった一人だったの。
そんな時手を差し伸べてくれたのが、タケゾーだったの。
でもね、待ったのよ。
タケゾーの思いは知っていました。
でもそれを押し止めて、タケゾーには『約束した人がいます』
と宣言して、足長おじさんの役目を押し付けていたの。
お嬢さま育ちの幸恵さんにはお分かりにならないでしょうね」
少々時間が気になり始めた小夜子だが、思いつめた幸恵を見ていると、
むげな態度も取りづらくなっていた。
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