昭和の恋物語り

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長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第二部~(八十一) アーシアが、運命の人だったわ。

2014-03-01 11:36:15 | 小説
(四)

「なに言ってるの! 自分で自分を貶めてどうするの。もっと毅然とした態度をとって。

男なんて、女が卑下した態度を取ると、途端に横着になるものよ。
毅然としていると、それなりの態度で接してくるものなの。

そりゃね、外見だけを立派にするだけじゃだめよ。
自分というものを、しっかりと磨き上げることが大事なの。

勝子さん。しっかりと、自分を磨き上げるのよ」

「自分を磨き上げるって、何をすればいいの? どうするの?」

「そうね、それが難しいのよね。お話を聞いても、明確に答えてくださることはないわね。

まず、本を読んだわ。いろんな作家の小説やら詩を読んだわ。
それから、文化人と言われる人たちのお話を聞いたわね。

そうして、知識をどんどん吸収して。
「女のくせに生意気だ!」って、嫌味を言われたこともあったけど。

そうして、アーシアに会ったのよ。彼女は、運命の人だったわ。
アーシアに会ったことで、あたしの人生が一変したもの。

アーシアのおかげで、自分というものにプライドを持てるようになったの。
勝子さんにとって、あたしがその運命の人になれたら嬉しいのだけれど」

「運命の人? そうよ、小夜子さんは大事な人だわ。
あたしの目を覚まさせてくれた、運命の人よ。
でも、プライドって何?」


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