昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

ポエム ~黄昏編~(光と闇)~ミカエルとルシファー~

2024-12-23 08:00:37 | 

 

低く垂れ込める 
どんよりとした雨雲を 鋭く抉り去り
力強き光が この地上に下り給ふ

かぶつき太陽は
今 その全貌を現す

地上の生きとし生ける物すべてが
光と影の織りなす輪唱に
……酔い……しれる……

詩人アガトン邸での饗宴
皆が皆 口々に恋の神エロスを称える
その狂態ぶり 太陽をして沈ませる

一台の車が静かに現れ 
前照灯を煌々とさせ 暗き闇の世界を求めて 
走る……走る……走る

その暗黒さ 何と喩えよう

重く圧しかかる その重量感
今にも大地は 押し潰されるが如くに
暗黒の切れ間に 僅かの空を持つ

それとても 光は 出でず 

慰めとも 哀れみとも つかぬ……
高層ビルの立ち並ぶ路に 
風に吹かれて右往左往する
捨てられた新聞紙にも 等しい


=背景と解説=

まだまだサイケデリックの影響を受けている頃です。
さすがに前回の[Blue night]ほどにはかぶれていませんがね。

この作品のキモですが、「全貌を現した太陽」なんですよね。
地上の人々に「光と影の織りなす輪唱」を教えながら、人々の「饗宴」における痴態に呆れ果てる。
当時のわたしには、恋という甘い蜜をしゃぶることを覚えて嬉々とした日々を送っていたのです。
そして絶望の淵に再度叩き落とされた、そういうことなんですよね。
「捨てられた新聞紙にも 等しい」と、嘆かせながら。



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