昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

大長編恋愛小説 【ふたまわり】(二)の3

2011-02-23 20:26:37 | 小説
「おい、
あの荷物見てみろよ。
どこで買い付けたんだ?」
「おう、
そのことよ。
田舎もんばっかしじゃねえか。」
「今は動けねえからよ、
店閉めたら行ってみるか?」
「確か、
こっちから来たよなあ。」
「あ、
ありゃなんだ?
なに、
こそこそ話してるんだ?」
「うん?
矢印の看板を持ってるぜ。
他には何も書いてねえ。」
店を閉めてから押し寄せた男達が、
ぞろぞろと列を作った。
そして富士商会の店先に
うず高く積み上げられた商品を目にして、
大騒ぎとなった。
「おい、おい。
なんだよ、
こりゃ。
どっからこんなに持ち出して来たんだよ。
盗品か?
構うことねえゃ、
盗品だろうと何だろうと知ったことか。
買うぜ、買うぜ!」
「大丈夫、
大丈夫だよ!
今日無くなっても、
明日また入るよ!
明後日も、
入るよぉ!」
武蔵の勝ち誇った声が、
響き渡った。


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