昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

今、この時の愛 (白い闇の三)

2011-01-05 14:11:35 | 小説
ぼくは知った、熱さの何たるかを。
笑ってしまう、実にけっさくだ。
なんと言うことはない。

熱い濡れタオルだった。
彼女に見られるなどと騒いだりして
実にこっけいだ。

静かに取り去られたタオルと共に、
彼女は俺の傍らを離れた。
その時初めて白い闇の正体を掴んだ気がした。

白い闇
この世の全ての相反するものが交錯する世界、
白日夢と現実の交錯した世界、
その何たるかを知った。


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