(二十九)
ほどなく看護婦に呼ばれて、問診を受けた。
昨日今日と落ち着いた一日を送っていた私は、意気軒昂に告げた。
「おかげさまで、非常に良い体調です。
元気です、この二日間。」
「入院を勧められたのに、断られたんですね。
なにか、都合の悪いことがあったんですね。
はいそれじゃ、血圧を計りますから、腕を貸して下さい。」
私の言葉など耳にしていないかのような態度に、少しばかりムッとしたものの、
“女ごときに何が分かる!”と、矛を収めた。
最近は、馬鹿丁寧な言葉遣いが多くなってきたけれども、
心のこもらない言葉遣いでは、逆に馬鹿にされているように聞こえてしまう。
ひがみだと言われてしまえば、反論のしようがないのだけれども。
ほどなく看護婦に呼ばれて、問診を受けた。
昨日今日と落ち着いた一日を送っていた私は、意気軒昂に告げた。
「おかげさまで、非常に良い体調です。
元気です、この二日間。」
「入院を勧められたのに、断られたんですね。
なにか、都合の悪いことがあったんですね。
はいそれじゃ、血圧を計りますから、腕を貸して下さい。」
私の言葉など耳にしていないかのような態度に、少しばかりムッとしたものの、
“女ごときに何が分かる!”と、矛を収めた。
最近は、馬鹿丁寧な言葉遣いが多くなってきたけれども、
心のこもらない言葉遣いでは、逆に馬鹿にされているように聞こえてしまう。
ひがみだと言われてしまえば、反論のしようがないのだけれども。
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