昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

[お取り扱い注意!]

2013-08-25 14:15:13 | 小説
(二十九)

ほどなく看護婦に呼ばれて、問診を受けた。
昨日今日と落ち着いた一日を送っていた私は、意気軒昂に告げた。

「おかげさまで、非常に良い体調です。
元気です、この二日間。」

「入院を勧められたのに、断られたんですね。
なにか、都合の悪いことがあったんですね。

はいそれじゃ、血圧を計りますから、腕を貸して下さい。」

私の言葉など耳にしていないかのような態度に、少しばかりムッとしたものの、
“女ごときに何が分かる!”と、矛を収めた。

最近は、馬鹿丁寧な言葉遣いが多くなってきたけれども、
心のこもらない言葉遣いでは、逆に馬鹿にされているように聞こえてしまう。

ひがみだと言われてしまえば、反論のしようがないのだけれども。


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