(三十)
しばしの時間が経った。
この待ち時間が苦痛になる。
常連らしき人は、新聞なり雑誌を読んでいる。
そういえば、入り口近くに新聞が置いてあった。
あんな遠くから持ってきたのか…と、半ば羨ましく思えた。
「山本さん、五番にお入んなさい。」
当初は聞き間違いかと思ったが、何度聞いても、
「お入んなさい」だった。
何とも、暖かさを感じさせる呼びかけで、嬉しさを感じた私だった。
心がある、なぜか直感的に思った。
ドアを開けると背筋がピンと伸びた老医師が、にこやかに迎えてくれた。
「はいはい、山本さん。
今日は気分が良さそうだね。
うん、良かった良かった。
さあ、お座んなさい。」
しばしの時間が経った。
この待ち時間が苦痛になる。
常連らしき人は、新聞なり雑誌を読んでいる。
そういえば、入り口近くに新聞が置いてあった。
あんな遠くから持ってきたのか…と、半ば羨ましく思えた。
「山本さん、五番にお入んなさい。」
当初は聞き間違いかと思ったが、何度聞いても、
「お入んなさい」だった。
何とも、暖かさを感じさせる呼びかけで、嬉しさを感じた私だった。
心がある、なぜか直感的に思った。
ドアを開けると背筋がピンと伸びた老医師が、にこやかに迎えてくれた。
「はいはい、山本さん。
今日は気分が良さそうだね。
うん、良かった良かった。
さあ、お座んなさい。」
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