(八)
月も半ばになって、荷の動きも落ち着いてきたことから
「どうだ、みんな。今夜、ご馳走をしてやりたいんだがな」と、武蔵から声がかかった。
「皆のおかげで、新規の客がどっと増えた。然も、老舗の店ばかりだ。
『成り上がりが!』とケチをつけてた所ばかりだ。
これで富士商会の株も上がるってもんだ。なあ、みんな」
「社長! ご馳走も嬉しいんですけど、お給料が上がる方が、もっと嬉しいです。」
「そうね、そうよね。
男子社員は、査定基準がはっきりしているけど、あたしたち女子社員は、目に見える貢献度がないものね」
「賛成、大賛成!お給料、上げてくださーい!」
「うーん、そうか。そうだな、確かに。事務の仕事を、少し軽く考えていたキライがあるな。
よし分かった。専務とも相談して、何某(なにがし)かのことはしよう。それじや、ご馳走はなしだな」
「えぇ! だめですよ、社長。それとこれとは話が別です。
明日のお昼、仕出しお弁当を出してください。松屋というお店の天丼を食べたいです、あたし」
「賛成ー! あたしも、天丼食べたーい! です」
「あたしは、カツ丼とかいうのを」
「分かった、分かった。それじゃ明日の昼、出前を取れ。各自好きなものを食べたらいいさ」
「はーい、ありがとうございまーす」
「もうひとつ、でーす。お姫さまもご一緒、いいですよね? お昼前のご出勤をお願いしてください」
「そうそう。ご一緒して『新しい女』のこと、お聞きしたいわ。」
「なんだ? お前たちも『新しい女』になりたいのか? やめとけ、やめとけ。
世間の風当たりがきついぞ。お前たちに、耐えられるか? まあいいさ。
聞きたきゃ聞けばいい。しかしここだけの話、男からすると困ったもんさ。
『女房の尻に敷かれた情けない男』と陰口を叩かれるからな。ま、お手柔らかに頼むぞ」
月も半ばになって、荷の動きも落ち着いてきたことから
「どうだ、みんな。今夜、ご馳走をしてやりたいんだがな」と、武蔵から声がかかった。
「皆のおかげで、新規の客がどっと増えた。然も、老舗の店ばかりだ。
『成り上がりが!』とケチをつけてた所ばかりだ。
これで富士商会の株も上がるってもんだ。なあ、みんな」
「社長! ご馳走も嬉しいんですけど、お給料が上がる方が、もっと嬉しいです。」
「そうね、そうよね。
男子社員は、査定基準がはっきりしているけど、あたしたち女子社員は、目に見える貢献度がないものね」
「賛成、大賛成!お給料、上げてくださーい!」
「うーん、そうか。そうだな、確かに。事務の仕事を、少し軽く考えていたキライがあるな。
よし分かった。専務とも相談して、何某(なにがし)かのことはしよう。それじや、ご馳走はなしだな」
「えぇ! だめですよ、社長。それとこれとは話が別です。
明日のお昼、仕出しお弁当を出してください。松屋というお店の天丼を食べたいです、あたし」
「賛成ー! あたしも、天丼食べたーい! です」
「あたしは、カツ丼とかいうのを」
「分かった、分かった。それじゃ明日の昼、出前を取れ。各自好きなものを食べたらいいさ」
「はーい、ありがとうございまーす」
「もうひとつ、でーす。お姫さまもご一緒、いいですよね? お昼前のご出勤をお願いしてください」
「そうそう。ご一緒して『新しい女』のこと、お聞きしたいわ。」
「なんだ? お前たちも『新しい女』になりたいのか? やめとけ、やめとけ。
世間の風当たりがきついぞ。お前たちに、耐えられるか? まあいいさ。
聞きたきゃ聞けばいい。しかしここだけの話、男からすると困ったもんさ。
『女房の尻に敷かれた情けない男』と陰口を叩かれるからな。ま、お手柔らかに頼むぞ」
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