“別人かもしれない”
そう思いつつ、所狭しと置いてある観葉植物を避けるようにして、花模様の入ったガラス戸を開けた。
「おじゃまします」
軽く一礼をした彼を迎えたのは、紛れもないのぶこだった。
身振り手振りで話に興じていたのぶこは、彼を視界に捉えた途端
「ええっ、どういうこと!」
と、素っ頓狂な声を上げた。
耀子と彼の顔を交互に見ながら、
「耀子、あんたまた悪い癖が出たの?
ミタくん、あんたも顔に似合わず」
と、絶句してしまった。
彼は意味が分からず、立ちすくんだ。
寝室らしき奥の部屋から戻ってきた耀子は、
「何言ってんのよ、違うわよ。練習の続きよ。
随分と様になってきたけど、もう少しやりたいなあと思ってね。
今日は、殆ど踊ってないのよ。フラストレーションが溜まりっぱなしなの」
と言いながら、彼を手招きした。
「ホントかなあ、まあいいわ。そういう事にしておきましょう」
壁際のソファに座っていたのぶこは、
「それにしても、あいつ。最近、高をくくってるな。ガツン! と、かまさなくちゃ。
そうだ! ミタ君、浮気しょっか。あゝ、赤くなった。かわいい!」
と、彼の顔を覗き込んだ。
「やめなさい、のぶこ。困ってるじゃないの。お茶にしょう。こっちにいらっしゃい! 二人とも」
広さ二十畳程のフロアに、システムキッチンが備え付けてある部屋だった。
確かに耀子の言葉通りに、広々とした空間が作られていた。
彼がテーブルの椅子に腰掛けると、
「どう、広いでしょ。安心したかな。みんな適当にやってきては、ここで練習しているのよ。
もっとも、男性はミタちゃんが初めてだけど」
と、コーヒーを彼の前に差し出した。
エプロン姿の耀子は、女子大生というよりは若奥様然としていた。
そう思いつつ、所狭しと置いてある観葉植物を避けるようにして、花模様の入ったガラス戸を開けた。
「おじゃまします」
軽く一礼をした彼を迎えたのは、紛れもないのぶこだった。
身振り手振りで話に興じていたのぶこは、彼を視界に捉えた途端
「ええっ、どういうこと!」
と、素っ頓狂な声を上げた。
耀子と彼の顔を交互に見ながら、
「耀子、あんたまた悪い癖が出たの?
ミタくん、あんたも顔に似合わず」
と、絶句してしまった。
彼は意味が分からず、立ちすくんだ。
寝室らしき奥の部屋から戻ってきた耀子は、
「何言ってんのよ、違うわよ。練習の続きよ。
随分と様になってきたけど、もう少しやりたいなあと思ってね。
今日は、殆ど踊ってないのよ。フラストレーションが溜まりっぱなしなの」
と言いながら、彼を手招きした。
「ホントかなあ、まあいいわ。そういう事にしておきましょう」
壁際のソファに座っていたのぶこは、
「それにしても、あいつ。最近、高をくくってるな。ガツン! と、かまさなくちゃ。
そうだ! ミタ君、浮気しょっか。あゝ、赤くなった。かわいい!」
と、彼の顔を覗き込んだ。
「やめなさい、のぶこ。困ってるじゃないの。お茶にしょう。こっちにいらっしゃい! 二人とも」
広さ二十畳程のフロアに、システムキッチンが備え付けてある部屋だった。
確かに耀子の言葉通りに、広々とした空間が作られていた。
彼がテーブルの椅子に腰掛けると、
「どう、広いでしょ。安心したかな。みんな適当にやってきては、ここで練習しているのよ。
もっとも、男性はミタちゃんが初めてだけど」
と、コーヒーを彼の前に差し出した。
エプロン姿の耀子は、女子大生というよりは若奥様然としていた。
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